複業とは?副業との違い、始めるメリットや注意点・始め方について解説!


 
「このままの働き方でいいのかな」
「人生は長いから、できればやりたいと思うことを仕事にしていきたい」

と思うことはあるのではないでしょうか。

世の中は大きく変わっており、働き方やライフスタイルというものも変わってきています。

この変化を考える上で、複業という働き方が近年注目されてきています。

そこで今回は、
「複業とは何か?」「複業と副業の違い」「複業のメリットと注意点」「複業を始めるにあたって」
ということについてお話ししていきます。



複業とは?

複業とは、複数の仕事を持つことです。

仕事というと本業でやっていることをイメージされると思いますが、この本業を複数持っているというイメージです。

本業を複数持つというのは少し気持ち悪いかもしれませんし、多くの方の場合週5日朝から夕方まで働いているかと思いますので、使える時間の差はもちろん出てきます。

ただ、時間やお金というのももちろんありますが、自分にとって週5日働いている仕事と比べてもう一つのことをどのように捉えているかが複業を考える上でイメージが湧きやすくなると思います。

「そのことを考えている時間が幸せで、休みの日もずっと考えている。」

「週10時間ほどだけど、やりがいがあり本気で取り組んでいる。」

というのであればその人にとってはどちらも本業(メイン)なのです。

このように、メイン・サブという考え方ではなく、両方ともメインと捉えて働くことが複業の特徴といえます。

では続いて、複業とサブの意味合いの強い副業との違いについて話をしていきます。

複業と副業の違い

副業は、サブ(補助)として収入を得ることを目的に行う仕事のことです。

収入、要する時間、労力が本業と比べると少なく、与えられる責任も大きくはない場合がほとんどです。

その仕事をすることの目的や楽しみというものは特になく、収入を増やすためにただ行なっているというものです。

一方、複業は

「こういうことに興味があり、やってみたい」
「スキルアップや経験を増やすために色々手を出したい」
「自由な働き方を求めている」

といったように明確な目標や意志があり、そのために必要なスキルアップや経験を積みながら働くというものです。

その人の中では仕事をする時間の中で複数のことをやっているという感覚で、どちらが本業かという考え方が難しいものです。

複業としての仕事は、今働いている会社とは別の企業に属しながら行うという人もいますし、自分のやりたいと思うことがどこかの企業に属してするのが難しい場合には、自分でやっていくという選択をする人もいるでしょう。

自分がやりたいことや今後のキャリアプランを考えた際に、今の会社では限界があると思う場合には複業という働き方を検討されてみるのも1つの道ですよ。



複業が広まってきたのはなぜか?

終身雇用の崩壊や政府による副業の後押しなど、近年は大きな変化が起きています。

これまでだと終身雇用の保証や年功序列での昇給など、会社に対して献身的になるかわりに自分や家族の生活が保証されていました。

ただ、経団連会長や日本トップのTOYOTA自動車の豊田章男氏による終身雇用の継続が難しいという発言から、会社が個人や家族を保証してくれるというものはなくなりつつあります。

また、年収については上がらないのが当たり前という時代で、今後は平均年収はさらに落ちていくことも考えられます。

こういった状況で、会社に対して高いロイヤリティを持て!という方が難しいです。

その上、今の時代はこれまでよりも選択肢が多く、転職をすることのハードルも下がってきています。

やりたいことでもやりたくないことでも給料は低いという状況では、

「今まで嫌なことややりたくないことをやってきたけど、そこまで収入も変わらないのであればやりたいと思えること・嫌ではないことを仕事にしてみたい」

という人が出てくるのも自然な流れです。

また、コロナのお家時間で、自分にとって何が大切なのかや、キャリアや人生に対して改めて考え直すことで、転職や副業、複業という選択肢が出てきやすくなっています。

そして、自分が求めていることや歩みたいキャリアが出てきた人は、その実現に必要なスキルの習得であったり、今の会社ではできないけど、興味があることを他のところでやってみたいという流れに複業という考え方が合っているのです。

複業のメリット・注意点

本業だけでは得られないスキルや経験を得られる

複業のメリットの1つ目は、”本業だけでは得られないスキルや経験を得られる”です。

本業で自分の身につけたいスキルや経験を身につけられているのは幸せなことです。

ただ多くの場合は、個人の意志というより会社や組織としてその時々で必要なことをするという形になります。

そうなると、描きたいと思っているキャリアパスや得たいと思うスキルや経験を得るのは難しいものです。

ただ、複業であれば違います。

すでに生活をしていく上でのお金は稼げている状態なので、仕事を選べる確率が高まります。

また、1つの仕事をしているだけでは得られない知識やスキル、経験なども異なる仕事をすることで身につけることができますし、スキルなどの幅が広がると今までとは異なる仕事の進め方ができることも期待できます。

本当は得たいスキルや経験があるのだけど転職はリスクがありそうと思う方は、複業というのも選択肢の1つとしてみてはいかがでしょうか。ローリスクで自身の望むキャリア設計をしていくことができるのでオススメです。

自分の強みや可能性を再発見できる

複業のメリットの2つ目は、”自分の強みや可能性を再発見できる”です。

強みというのは、環境によって影響を受けやすいものです。

たとえば、「懐に入るのがうまく、相手と気持ちよくコミュニケーションができる」という強みを持った人は、営業では力を発揮できそうですが、経理などのバックオフィス系の仕事では力を十分に発揮できないものです。

このように、自分の強みと発揮する環境が合っていない場合にはパフォーマンスを上げるのは難しくなりますし、自信も失われていってしまいます。

ただ、強みというのは自分で思っていたとしても実際に力を発揮する場がなければ周囲もその人が持っている強みを認識しにくいですし、次第には自分自身も本当に強みなのか?と疑うことになっていきます。

そういった場合には、自分の強みや特性が発揮できそうなことを複業として始めてみることは効果的です。

強みというのは、周囲の人に比べてうまくできることなので、時間は必要にはなりますが成果は出やすいもので、その強みを活かしたことで周囲に与える影響範囲が大きくなったりすることで、新たな自分の可能性に気づける機会にもなります。

コミュニティや居場所が増える

複業のメリットの3つ目は、”コミュニティや居場所が増える”です。

社会人になってから、活動範囲が狭くなったという方は多いのではないでしょうか。

会社と家の往復がほとんどで、平日の起きている時間の大半を仕事をして過ごすという状況では、頭の中が仕事で埋まってしまうものです。

仕事のことや職場の人との人間関係などで頭がいっぱいになると、その環境が合わなかったり、辛いという時に逃げ場がなくなってしまいます。

そんな状況に陥いりそうな時に効果的なのがコミュニティや自分の居場所を増やすことです。

複業をすると、普段では関わらないような人たちと関わるようになりますし、似たようなことに興味がある人同士なので居心地がいいという場合が多いでしょう。

複業をし、気持ちを分散させることで、本業や家族だけが自分の居場所じゃないと思えるようになると、追い詰められ具合が少しは和らぐので検討されてみてはいかがでしょうか。

収入やスキルアップが見込める

複業のメリットの4つ目は、”収入やスキルアップが見込める”です。

まず、複業として取り組む場合、通常の副業と比べて多くの時間を使うことになるのと、提供できるレベルが上がってくるので、複業の収入は小さくない金額になっていくでしょう。

また、1つの企業だけでは経験できないことやスキルを身につけることができると、できることの幅や掛け合わせによる新たな付加価値を生み出すことにもつながります。

付加価値を生み出せるようになると、社内もですが、社外から見た時の市場価値も高まります。

また、社外でも通用するという自信がつくと上司や同僚に対してこれまでとは異なる心持ちでいることができます。

急に退職を告げられたり、今の会社から転職をしたいと思った時にも困らないよう、複業を通じて徐々に自立していかれてみてはいかがでしょうか。

理想のライフスタイルを実現できる

複業のメリットの5つ目は、”理想のライフスタイルを実現できる”です。

何を大事にするかやライフイベントの変化によって各々が理想とするライフスタイルは変わります。

また今は、リモートや海外での勤務や週休4日制など働き方は柔軟になっています。

どんなライフスタイルを歩みたいかによって働き方を選べるようになれると、人生をコントロールできるようになってきます。

子育てしながら在宅でできる仕事がしたい。
ハワイで暮らしながら週に2日だけ働きたい。

などのような働き方ができる仕事は何かと考え、働くの選択肢を増やしていってみてはいかがでしょうか。

複業をする上での注意点

最後に複業をする上での注意点をお話しします。

注意した方がいいのは、時間管理や業務遂行能力が高くない人が複業を始めようとする場合です。

時間管理や業務遂行能力が高くない状態で複数のことを本業にすると、共に崩れてしまうおそれがあるので、この辺の判断は慎重に行った方が良いでしょう。

生活や体調が崩れて、パフォーマンスが著しく落ちるのであればまずは片方をしっかりできるようになるのが精神衛生面や自身の雇用を守る上でも重要なのでぜひ意識されてみて下さい。



複業を始めるにあたって

複業として何かを始めようとする際には、「そもそも複業を始めたいと思ったのはなぜか?」ということを考えることが大切です。

すでに1つ仕事をしている中で、1つ仕事を増やすということは思いの外負荷がかかりますし、行う目的が自分の中で腹落ちしていない場合は継続が難しくなってしまいます。

・将来、好きな場所で好きな時間に働けるようになりたい。

・やりたいと思うことがあって理想の状態に近づくために動き出したい。

・積み上がっていく資産を作れるような仕事をしたい。

など、自分の願望や欲求を考え、

「何を求めているのか?」「〇〇につながるからやりたいと思う」など

腹落ちものを見つけていっていただければと思います。

そして、複業としてやってみたいと思うことが見つかればあとは行動あるのみです。

複業を始めるにあたって、今はサービスが充実しています。

すでにスキルが一定あるのであればランサーズなどの業務委託系、もう少しライトに自分ができることを作業単位、時間単位で売り買いできるクラウドワークスやcoconalaなどに登録をしてまずは1つ出品してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

TwitterやInstagramなどで、自分はこんなことができますというのを発信するのも個人にブランドをつけて価値を高めていく上で効果的ですので、余裕が出てくれば合わせて行っていきましょう。

その他、その複業が企業に属さないと難しいというのであれば、興味のある企業の採用HPなどを確認し、働けないか聞いてみる。もしくは、友人のつてなどをうまく活用していくことも1つの手です。

おわりに

複業をしていくと
・やってみるとどんどんやりがいを感じ、複業をする時間の割合をもっと増やしたい
・複業で本業以上に稼げるようになってきた

ということが起きてくるタイミングがでてきます。

複業として始めたことで生きていきたいという日々が長く続いた場合は、少しずつ会社で働く時間を減らし、徐々に1本化していくのも1つの道です。

この記事が、働き方やライフスタイルの選択肢を増やし、人生の舵きりをしていくヒントの一助になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。