ライフワークとは?魅力や「ライフワーク」を見つける5つのコツについて


 
ライフワークと聞くと、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?

たとえば写真家の方が「〇〇の写真を撮ることが私のライフワークです」とインタビューに答えているところなど、一部のプロフェッショナルな人が口にする言葉、というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

このように、これまで”ライフワーク”は「才能がありクリエイティブな、一握りの人のためのもの」という印象があり、あまり一般的には馴染みのない言葉とされていたように思います。

しかし、実はこのライフワークという言葉が今、多くの人に注目されてきています。

この記事では、ライフワークが注目されている背景や魅力、そしてライフワークの見つけ方についてご紹介していきます。



ライフワークとは

そもそもライフワークとは、金銭や名声などの見返りがなくても心の底からやりたいと思える取り組みや、一生をかけておこないたい仕事・活動のことをいいます。

生活するために必要性・義務感に迫られておこなう仕事とは一線を画していて、その人の幸せや自分らしさと結びついているためについついやりたくなってしまう、というのもライフワークの特徴です。

ここまで聞くと、ライフワーク=趣味なのでは?という疑問も湧いてくるかもしれません。

それはおっしゃる通りで、趣味の中でも「人生をかけて究めていきたい」と思えるものがあれば、それはライフワークと言えます。

一方で、暇な時間や余暇にやっていることはあくまで”趣味”という括りになります。

というのも、ライフワークは余った時間に付加的にやるものではなく、その活動をするために時間や労力を惜しみなく使いたいと思えるもののことだからです。

ライフワークが注目される背景

それではなぜ今、ライフワークが注目されているのでしょうか。

その背景には働き方・仕事の多様化があります。

かつては多くの日系企業で終身雇用が当たり前とされていましたが、今では副業や起業、はたまた複業など、選択肢が一気に増えていますよね。

また、3年以内に転職する人向けに「第二新卒」という言葉が生まれるなど、転職も一般的かつポジティブな選択肢として受け止められるようにもなりました。

さらにインターネットの普及・発展によって、働き方だけでなく仕事の在り方も多様化しており、YouTuberという新しい仕事が生まれたり、インフルエンサーという立ち位置の人が出てきたり、と「普通の社会人」像もなくなりつつあります。

これらの背景から、「働くこと」自体が多様化し、人々はより多くの「働く」の選択肢を持てるようになりました。

健康寿命も延びて80歳近くまで働く未来が来ることを考えると、「それだけ働く時間が長くなるなら、辛いだけの仕事より自分の好きな働き方を選択して生きていこう」と考える人が増えるのも、自然なことだと言えるでしょう。

こうした時代背景と、「生涯かけて何かを成し遂げたい、何か好きなことを究めたい」という考え方がマッチし、ライフワークという言葉が共感を集めているのです。

さらに直近の数年ではコロナウイルスの影響で家にいる時間や自分の時間が増え、何を大切にすべきかを見つめ直す人が増えている、というのも、この傾向を後押ししているのかもしれませんね。

さて、次にライフワークの魅力について見ていきましょう。



ライフワークの魅力

休息と充電を同時にできる

ライフワークの魅力の1つ目は、休息と充電を同時にできることです。

通常は、ある程度好きなことでもそれだけをずっとやっていると疲れるというものが多いと思います。

たとえば、漫画が好きだと言っても、本当によほど好きでなければ一日中漫画だけを読んでいると反対に疲れてしまうということがありますよね。

しかしライフワークは、「できるならずっとそれをしていたい」と思えるレベルのものです

それだけ好きなものですから、取り組んでいると日常から離れてそのことに没頭することができます。その上で、「疲れを感じない、むしろ回復するまである。」というのがライフワークといえます。

ライフワーク以外の時間も充実する

ライフワークの魅力の2つ目は、ライフワーク以外の時間も充実することです。

これは特に、生活のための仕事とは別でライフワークを持っている人に当てはまるメリットと言えます。

前提として、ライフワークを見つけた人は「その分野をもっと突き詰めたい、できるようになりたい」という思いから努力を惜しまずどんどん成長していきやすく、それによる自信と充足感を得やすくなります。

そうすると、生活のためにしている仕事の方にも自信を持って取り組むことができ、これまでは言えなかった意見を発信できるようになったり、ライフワークでできたこと・得た知見を活かせるようになったり、という副次的な効果が出てくる可能性が高くなります。

さらに、仕事とは別にライフワークのコミュニティがあることで、他にも居場所があるという心の余裕が生まれ、その余裕がハイパフォーマンスにも繋がっていきます。

これらの結果、ライフワークを持つとそれ以外の時間も充実させられる可能性が高いのでおすすめです。

充実感を得ながらお金も得られる可能性がある

ライフワークの活動は、充実感と同時にお金を得られる可能性もあります。

もちろん、自分でひっそりと究めたいと考えている人には当てはまらないですが、自分の好きなことで力を試してみたいと思っている方は、ライフワークでお金を得る挑戦をしてみても良いと思います。

どうしたら自分の好きなことで人のことも幸せにできるのかを突き詰め、その結果がお金として通信簿的に評価してもらえるようになるのかと考えるのは案外面白いものです。

そして、この経験から得られる成長実感・達成感は得も言われぬものなので、ライフワークでお金を得るという領域に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

ライフワークとその他の言葉の違い

ライフワークを知る上で、似ている言葉やセットで語られる言葉との違いを見ていきましょう。

ライスワーク

ライフワークとライスワーク、そしてこの後にご紹介するライクワーク・ライトワークは、言葉尻は似ていますが意味は異なります。

ライスワークは、文字通りライス(rice)=ごはんを食べていくための仕事、つまり生活に必要なお金を稼ぐための仕事のことです。

すでに文章に出てきた「生活のための仕事」はライスワークを指しているということですね。

ライクワーク

ライクワークの”ライク”は、”好き(Like)”という意味であることからもわかる通り、ライクワークというのは、「好きなこと、やってみたいこと」を仕事にできている状態のことをいいます。

ライクワークになるものには主に、元から好きな職種・業界の仕事につくことができたパターンと、初めはそれほど興味がなかったけれどやっているうちに好きになったパターンの2つがあります。

どちらのパターンでも、好きなことをできている状態という点ではライフワークと被りがあります。

ライクワークの中で、刹那的な興味でやっているのではなく、生涯かけてやっていきたいと思えているのであれば、それはライフワークなのかもしれませんね。

ライトワーク

これは少し聞きなれない言葉かもしれませんが、ライトワークという言葉もあります。

ライトワークの”ライト”は”光(light)”の意味で、自分自身のためという枠を超えて、人々や社会に光を当てるような仕事のことを指します。

ライフワークの中でも、たとえば「誰もが楽しく仕事ができる社会を実現したい」という思いで活動している人など、自分の「やりたい」を超えたビジョンを持っている人は、ライフワークでありライトワークをしていると言えます。

以上が、ライフワークに似ている言葉の紹介でした。

中には聞きなれない言葉もあったかもしれません。

でも、新しい言葉や概念を知ることで初めて、これまでもやもやしていた自分の感覚を言語化できるようになり、自分の目指したい働き方がはっきりすることもありますので、まずは、こんな言葉もあるんだ~というくらいでもよいので頭に入れてみてくださいね。



ライフワークの見つけ方


ここまで読んでいただいて、「とはいえライフワークと言えるものは自分にはないなあ…」と思った方もいらっしゃると思います。

そこで、最後にライフワークを見つけるヒントについてご紹介させてください。

その方法は、以下の5つの質問に答えていただくだけの簡単なものとなっています。

世の中や日常で起きていることに対して怒りや不満を感じることは何ですか?

あなたが日々の生活の中で思わずムカッとしてしまうようなことはありませんか?

「子どもの時に勉強ばかりさせられたけど、社会人になって何にも役に立たないじゃないか!」

といったことや

「なんで家でもできる仕事なのに通勤しないといけないんだ」

などなど、表には出さなくても、日常でふと怒りや不満を覚える瞬間というのは誰にでもあるのではないでしょうか。

怒りというのはとても強い感情で、そんな怒りや不満の中には、実はあなたの強い欲求が隠れています。

「子どもの時の勉強が今に活きていない」という不満を例にとると、その不満の陰には、自分は本当は子どもの時に学んだことを活かした仕事をしたい、もしくは、社会の根本から詰め込み型教育を変えたいという欲求があるかもしれません。

もしくは、「では子どもの時の勉強で何を得たのか、それを今の仕事の考え方に活かせないか」と考えることで仕事の工夫に繋げ、今の仕事の充実感を上げることもできるかもしれません。

このように、日常の怒りの中にあなたの人生を良くしていくヒントが潜んでいるのです。

憤りや怒りを感じたら、ではそれを変えるにはどうしたらよいのか?同じ思いをする人を減らすには?を考えるうちに、あなたの実現したい未来やそのために貢献したいこと・できることが固まりライフワークが見つかりやすくなるのでおすすめです。

お金や時間を使っていることは何ですか?

今、あなたが生活の中でお金や時間、それも必要に迫られて使っているものはできるだけ除いて、好んでお金や時間をかけているものについて考えてみてください。

仕事をしていると、特に平日はあっという間に一日が終わってしまい、仕事が終わったらもう寝るだけ…という人も多いと思います。

でも、そんな生活の中でもお金や時間を割いているものがあれば、それは相当好きでないとできないことだと言えます。

寝る前に絶対に時間をとってやっているものはないか、また休日は何に時間やお金を使っているか振り返ってみましょう。

それがあなたが「生涯かけてやっていきたいこと」に数年後になっているかもしれません。

感謝されてうれしかった出来事はありますか?

自分ではあまり苦だと感じていなかったのに、人から感謝されて嬉しく思ったことはありませんか?

たとえば、「話を聞いてくれて嬉しかった」「素敵なプレゼントをくれてありがとう」など、日常のコミュニケーションの中でも人から感謝されることがあると思います。

こういった感謝は一見ありふれているように見えますが、聞いてほしいときにただ話を聞くことができる人は実は多くありませんし、相手の喜ぶプレゼントを選ぶことができるのは大きな才能です。

だから、もし思い浮かぶ出来事があれば、そこにはあなたの伸ばしていくことができる強みが隠れているかもしれないのです。

ただ、この質問で気を付けてほしいことは、あくまで”あなたがあまり意識せずにおこなったことで人から感謝されたことはないか”と考えることです。

「人に褒められたい」が先行して行動するとどうしても、自分自身の得意なことや好きなこととは違っていても、「褒められるために」無理をしてしまっている可能性があるからです。

ライフワークを見つけることはあくまで「あなたが心からやりたい」と思える何かを見つけることなので、人の価値観に左右されすぎないように、というところを意識して考えてみてくださいね。

お金がもらえなくてもやりたい仕事はありますか?

お金をもらうためだけに仕事をするライスワークとはことなり、ライフワークはお金が優先順位の一番にこない仕事・活動になります。

そこで、ライフワークを見つけたいときには、

「見返りをもらえなくてもこれならずっとやっていたい」
「誰からも褒められなかったとしてもやりたい」

と思えるものがあるかと考えてみると良いでしょう。

もしあれば、それがあなたのライフワークの種になってきます。

大事にしていること、周りに対して影響を与えたいことはありますか?

あなたが大事にしている価値観や継続している行動、または周りに影響を与えたい、と思えることがあるか考えてみてください。

もし、自分の中にとどまらず周りに影響を与えたい、と思うレベルのことがパッと出てくるのであれば、それはかなり大きなライフワークの種です。

4つ目、5つ目の質問ですぐに回答が思い浮かんだ方は、人生をより豊かにするために、その活動に使う時間・お金をどうやったら増やせるかを考えて形にするフェーズに移行するのもおすすめです。

以上の5つが、ライフワークを見つけるためのヒントとなる質問です。

いきなり聞かれても答えられないという人は、日常でこの5つの質問を意識してぜひ生活してみてください。

これまでは「そんなやりたいことなんてないよ」と思っていても、意外と生活の中で怒りを感じることや、これをやってみたい!とときめくことがたくさんあるかもしれないですよ。

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は、ライフワークが注目されている背景とその魅力、そしてライフワークを見つけるためのヒントについてご紹介しました。

ぜひ皆さんも、日常にある自分だけのライフワークのヒントを探してみてくださいね。

また、「ライフワークにしたいものが見つかったけれど、どう仕事にしていったらよいか知りたい」という方はこちらの記事もご覧ください。