逃げたいと感じる時の心理とは?逃げ出したくなった時に試してほしい5つのこと


 
仕事でミスをしてしまった時や人間関係でのトラブル、悪いことが続いている時など、何もかも投げ出して逃げてしまいたいと思ったことは誰しも一度はあるのではないでしょうか。

逃げたい、と思っている時は、心が限界を迎えて悲鳴を上げている可能性があります。

特に、普段頑張っている人ほど”逃げる”という選択肢をとることに対して抵抗感を感じてしまいやすいのですが、逃げることは決して悪いことではありません。

むしろ、あなたが自分自身を大切にするためには逃げなければならない時もあります。

今回は、逃げ出したいと感じやすい場面やその時の心理、対処法についてご紹介します。



逃げたいと思うのはどんな時?

そもそも「逃げたい」と強く感じるほど心がSOSを発するのは、どんな状況の時なのでしょうか。

代表的なものを5つ見ていきましょう。

状況をコントロールできていない時

逃げたいと思う場面1つ目は、”状況をコントロールできていない時”です。

たとえば、自分の力量以上の仕事に耐えられなくなった時や、納期が近すぎる仕事を任されてノーと言えなかった時、重すぎる責任を押し付けられた時。

こういったときは、もう頑張れない、耐えられないという思いから、逃げ出したくなる人も多いのではないでしょうか。

何かに追われている時

逃げたいと思う場面2つ目は、”何かに追われている時”です。

たとえば、仕事の締切など、「何か期日が迫っているのにそれまでに終わる目途が立っていない時」や、「明日は絶対に失敗できないコンペがある」など大きな負荷がかかる予定が近々ある時。

こういった何かに追われているときは、精神的に追い詰められているもので、逃げ出したいという考えが頭をよぎる人も多いのではないでしょうか。

人間関係で悩んでいる時

逃げたいと思う場面3つ目は、”人間関係で悩んでいる時”です。

毎日顔を合わせる相手と気まずくなってしまっている時や、何か相手を怒らせてしまった時は、相手と顔を合わせるのがとても憂鬱に感じますよね。

特に、他人の感情・行動というのは自分ではコントロールできない最たるものなので、どう対処すれば良い方向に向かうのかも難しく、もう今の人間関係から距離を置いてしまいたい、と感じやすくなるものです。

重大な決断をしないといけない時

逃げたいと思う場面4つ目は、”重大な決断をしないといけない時”です。

仕事の中で何か自分の責任で決断する場面や、就職先の決定、転職するかどうかの決定や結婚相手・結婚時期についての決断など、人生の中でも特に重要な決断のタイミング。

こういった決断が迫られる場面では、決断しなくてはいけないと分かりつつもこのプレッシャーからあわよくば逃げ出したいと思う方は多いのではないでしょうか。

漠然とこの先に何も良いことがないと感じた時

最後に、「漠然とこの先に何も良いことがないと感じた時」も逃げたいと感じる場面として挙げられると思います。

上で挙げた4つのように何か決定的な出来事があるわけではなくても、嫌なことが続いてしまった時や、反対に「今が一番幸せでこれからは落ちていく一方かもしれない」とふいに思った時などは、もうこれ以上頑張り続けられない、逃げてしまいたい、と感じる人もいるのではないでしょうか。

先に何もいいことがないと思うと、つねに陰鬱な気持ちになることにもなるので、自身の今の状況や思考の癖などを一度把握することはおすすめです。



逃げたい時の心理とは?

次に、上に挙げたような「逃げたい」と感じる瞬間には、具体的にどのような心理が働いているのか説明していきます。

不安やプレッシャーで押しつぶされそう

逃げたい時の心理1つ目は、”不安やプレッシャーで押しつぶされそう”です。

先ほどご紹介した逃げ出したいと思う場面の中で、「状況をコントロールできていない時」や「何かに追われている時」、「重大な決断をしないといけない時」などは、この心理状態と言えるでしょう。

特にそういった状況が長く続いてしまっていると、身も心も疲れ果てて精神的にもぎりぎりまで削られている可能性が高く、もう楽になりたい、という心理に陥りやすくなってしまいます。

また、何か近い未来に負荷のかかる予定を控えていることで「もう逃げたい」と感じてしまっている場合は、準備が不十分で不安に感じていることがほとんどです。

そんな時は、逃げるのではなくむしろ向き合って、とことん納得できるまで準備をすることは1つの手です。準備がしっかりできていると、思いのほか不安な気持ちが軽減され、前向きに臨めるようになっていくのでぜひお試しください。

上手くいくイメージが湧かない

逃げたい時の心理2つ目は、”上手くいくイメージが湧かない”です。

仕事で壁にぶつかったり、人間関係で悩んだり…と悪いことが続いてしまっていて、どうしたら良い方向に向かっていくのかわからない、良い状態になっているイメージも湧かない。

そうなると、どうにかして解決しようと努力するよりも逃げ出してしまいたい、と思うこともありますよね。

また、特段現状に不満があるわけでも不幸だと感じるわけでもないのに、この先に良いことが待っているイメージが湧かない、というような未来への漠然とした不安を抱いている時も、もう何もかも辞めてしまいたい、という気持ちになることがあると思います。

こういった心情の時に逃げ出したくなるのは、「今の状況から立て直す方法が分からない」からだと言えます。

どうしたら状況が好転するのか、どうしたら不安を取り除けるのか。

それがわからないから、もう逃げるしかない、という心理になってしまうのではないでしょうか。

甘えてしまう自分に自己嫌悪やふがいなさを感じている

逃げたい時の心理3つ目は、甘えてしまう自分に自己嫌悪やふがいなさを感じている時です。

何か失敗をしてしまった時やなかなか結果を出せない時、「精一杯、限界までやりきった」と思えている人よりも、実は「まだ自分に甘えがあり、どうにも頑張り切れていない」「自分が悪いことはよくわかっている」という人の方が辛く感じてしまうことがあります。

自分自身で甘えている自覚がある分、「できることはやった」と胸を張れないことへの自己嫌悪の気持ちを抱いたり、誰かから甘えていることを責められたり(または「責められるのでは」と恐れたり)することで、”自分や他人が自分を見る目”から逃げたい、という心理につながるからではないでしょうか。

多くの人は、余程の強い覚悟がなければ甘えを捨てきることはできないので、「そうはいっても性格はすぐには直せないから、辛い思いをするくらいなら開き直って逃げてしまいたい…」と思ってしまうのです。



逃げたいと思った時に試してほしいこと


それでは最後に、辛いことや苦しいことから逃げたいと思った時に試してほしい5つの対処法を見ていきましょう。

逃げたいと感じる原因を明確にする

逃げたいと思った時の対処法1つ目は、”逃げたいと感じる原因を明確にする”です。

何もいいことがないように感じて「もう何もかも嫌だ、逃げてしまいたい」と思っている時でも、実は全てが良くない方向に向かっていることは少なく、1つか2つ大きな原因があることがほとんどです。

まずは今自分にとって苦しいことは何かを紙に書けるだけ書きだしてみて、さらに最もあなたのことを苦しめているものは何なのかを考えてみましょう。

紙に書きだすことで、

「頭で考えているうちは”悪いことばっかりでもう耐えられない”と思っていたけれど、実際悩んでいることはほどんどなかった」

「紙に今抱えている悩みを書き出してみたが、1つ解決すれば全て解決することがわかった」

など、物事がシンプルに見えてくると思います。

そして一番大きな原因が分かったら「それを解決するためにはどうしたらいいか」を改めて考えてみてください。

他の問題とごちゃ混ぜにして考えてしまっていたから解決策が見えなかっただけで、意外と少しの時間・労力で簡単に対処・回避できる問題かもしれません。

また、一番大きな原因に対処することが難しければ、解決しやすい問題から片づけるようにしましょう。

悩む対象が減るだけで「嫌なことばっかりだ」という感覚から解放され、心の負担は大きく減らすことができますよ。

環境を変える

逃げたいと思った時の対処法2つ目は、”環境を変える”です。

もちろん、「遅刻した」「ちょっとしたミスをして上司から小言を言われた」など日常的によく起こるトラブルをきっかけに、すぐ環境を変えようとするのはおすすめしません。

些細なトラブルの度に環境を変えて回避しようとすると、小さな障壁でさえも自分では乗り越える力がつかないまま、歳を重ねてしまうことになるからです。

しかし、もう限界だ、これ以上は自分が壊れてしまうと感じている時は、いつでも逃げていいんだという心構えでいてください。

特に真面目な人ほど、仕事上の問題については「責任は全うしないと…」と思ってしまいますし、人間関係に悩んでも「逃げるのは弱い証だ」と思ってしまいやすいのですが、自分にあまりにも合わない仕事や人間関係から離れることは全く悪いことではありません。

もし仕事内容や働き方が合わず辛くなってしまったら転職を視野に入れて、他の業界・業種について調べてみましょう。

また、このまま仕事を続けることは厳しいという場合は、休職するなど使える手段・権利は全て使って、すり減った心身を回復させることに全力を注いでください。

また、悩みの種が人間関係である場合、逃げるのは一番有効な手段とも言えます。

というのも、学校や会社などの狭い人間関係は運の要素がかなり大きいため、たまたまあなたと合わないコミュニティに当たってしまう可能性は十分にあります。他の場所では問題なく人間関係を築ける可能性があるのであれば、そういった道を探すのは決して逃げなどではありません。

「ここでダメなら他でもダメだ」などということはありませんので、思い詰め過ぎずにまず環境を移すことを考えてみてはいかがでしょうか。

ゆっくりと休んで心身共に回復する

逃げたいと思った時の対処法3つ目は、”ゆっくりと休んで心身共に回復する”です。

忙しいと自分の生活を後回しにしてしまう人が多いと思うのですが、人は空腹時や寒い思いをしている時、寝不足の時にネガティブな気持ち・不安な気持ちになりやすいものです。

そして、疲れているときに日常をおろそかにすると心もどんどん不安定になる悪循環に陥ってしまいます。

なので、疲れを感じているときは、とにかく栄養のある料理を食べて、しっかりお風呂につかって身体を温め、ゆっくり眠る。

これが一番大切です。

思い切って時間をとれるなら、どこか遠くに旅行に行くのも良いですよね。

普段の環境から離れた場所にいる、という実感を得られるとリフレッシュ感も強まるため、自分の住む街や会社とはかけ離れた景色を見られるところに行くのがおすすめです。

また、物理的に日常と距離を置かなくても、前向きになれる本や漫画、名言に触れることも良いでしょう。

同じ悩みを抱えている人の本を読むと「自分だけではないんだ」と思えて少し気分が楽になったり、漫画のキャラクターに共感したり、など思わぬところに状況を好転させるヒントが隠れているかもしれません。

とにかく、これまでおろそかにしていたものにあえて時間を使ったり、精神的・物理的に日常を離れたりすることで、一度頭をクリアにしてみましょう。

小さな達成感を意識的に得る

逃げたいと思った時の対処法4つ目は、”小さな達成感を意識的に得る”です。

これは、夢や目標に向かって頑張ってきたけれど挫折してしまいそう、自分が立てた目標から逃げてしまいたいと思っている人におすすめの方法です。

挫折してしまいそうなときは、これまで夢の実現のために掲げていたものよりも一段低いところにマイルストーンを設定してみましょう。

この時おすすめなのが、不確実でかなり背伸びしないと達成できないものではなく、やれば必ず達成できるというマイルストーンを設定することです。

たとえば「歌手になる」という夢を持っている人であれば、これまでは”SNSのフォロワーをで3か月で5000人増やす”という中間目標を立てていたけれど、挫折しそうな時期には”週に3回、必ず歌っているところを投稿できれば良しとする”という目標に設定しなおすようなイメージです。

こういった確実性の高い目標であれば、追い詰められずに継続しやすいですよね。

そして何よりも、弱っている時でも夢に向かって努力できたということが、「目標という自分との約束を果たし続け、夢に着実に近づくことができた」という自信につながり、また前を向く活力が湧いてくるはずですよ。

自分の良いところ・頑張ったことに目をむけてみる

逃げたいと思った時の対処法の最後は、”自分の良いところ・頑張ったことに目をむけてみる”という方法です。

逃げたいと思う時は、どこかで「自分はダメな人間だ」と思ってしまっていて、自己肯定感がかなり低くなっている可能性があります。

でも、毎日休まず仕事をすること、家事をすること、人を傷つけずに過ごすこと…、数え上げればキリがないほどあなたは日常で人に気を遣い、自分を律して生活していることと思います。

そこで、どんなに些細なことでも良いので、最近頑張っていることや、周りには気づかれなかったけれど自分で対応した仕事など、思いつく限りの自分の良いところ、偉いと思う部分を紙に書き出してみてください。

「他の人から見たら大したことじゃないかも」とか「皆やっていることだから頑張っているなんて言えない」なんて全く関係ありません。

あなたが頑張ったかどうかを判断するのはあなただからです。

また、自分の良い部分が見えてきたら、そんな自分へのご褒美として高いアイスを食べたり外食したり、欲しかったものを一つ自分にプレゼントしたりしてみてください。

自分で自分にお金と時間を使うことで、「自分は大切にされるべき人間なんだ」という感覚をぜひ取り戻していきましょう。

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は「逃げたい」というテーマでお話ししてきました。

今の環境がどんなに辛くても、一度自分で決めたレールを外れることへの抵抗感・恐怖心から逃げるという選択をできない気持ちもとてもよくわかります。

でも、レールを降りてみると他にも道はいくらでも続いていますし、人生で取り返しのつかないことなんてほとんどありません。

この記事を読んだあなたに、何よりも自分自身を一番大切にする選択をしようと思っていただけたら幸いです。