自己超越とは?マズローの欲求5段階説には知られざる6段階目があった


 
普段、誰かと話しをしていて全然かみ合わないことってありませんか?

それは、知識量に差があるときもありますが、もしかしたら目の前の人が置かれている心理的な状況が自分と違うからかもしれません。

心理学の分野で、有名なものに「マズローの欲求5段階説」があります。

一度は聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

実はこの理論、現状の心理的な立ち位置を理解するにあたって非常に効果を発揮します。

ただ、マズローの欲求5段階説には、なんと知られざる「自己超越」という6段階目があったのです。

そこで、本記事では良く知られている「マズローの欲求5段階説」について簡単に紹介をして、ほとんど知られていない6段階目の「自己超越」について以下で説明していきたいと思います。

欲求階層説とは?

欲求階層説とは、心理学者のアブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向けて絶えず成長をしていく」という理論を唱えて、人間が持つ欲求を5つの階層に表したものです。

この理論では、人間誰しもが持っている欲求を5つの階層構造で解説しています。
その5つが以下です。

・自己実現欲求
・尊厳欲求
・社会的欲求(帰属欲求)
・安全欲求
・生理的欲求

これらの欲求をマズローは下の図のようなピラミッド構造で表しました。
 

 
このモデルでは、低次のものほど強い欲求で、まずは低次の欲求を満たすような行動が優先されます。

そのため、低次な欲求が満たされるまでは高次の欲求は抑えられてしまうのです。

また、面白いのは下4つが「欠乏欲求」でそれ以上が「成長欲求」という点です。

我々が成長を追い求めてしまうのは、一見自己実現のように思えますが自分に足りないものを埋めるためのものだったのです。

なので、短期的な成長を求めて疲弊するのではなく、長期的に何がしたいのかを明確にして本当の意味での成長を目指したいものですね。

そして、これらそれぞれの階層で抱える悩みなどは詳しくお話したいところなのですが、今回メインでお話するのはこのピラミッドのさらに上の自己超越についてです。

欲求階層説について詳しく知りたい方は、こちらの記事にて詳しく書きましたのでぜひご覧ください。

自己超越とは?

先ほど、紹介した5段階の欲求階層の上に実はもう一つあると、晩年にマズローが発表したもの。

それが、「自己超越」という段階。(下図の逆ピラミッドの領域)

 

 
この領域は、「目的の遂行や達成することだけを純粋に追い求める」という状態です。

ここには、他人からの視線や他者から認められたいといった欲求は眼中になく、ただただ達成したい目標に向けてひたむきに走っている人のことを指します。

また、これまで自分に向いていたベクトルが周囲にも向くようになり、自分もしくは自分が所属するコミュニティが掲げた目標に向けてひたむきに努力をします。

他者から見ると、「純粋に目標を追っている姿は、良い意味で異質でユニークな人」に映るでしょう。

このように、自己を超えて他者にも良い影響を及ぼしながら自分も心から達成したいと思える目標に向けてひた走ることが「自己超越」の領域なのです。

また、会社に理念があるように「自己超越」の領域にいる人には理念が芽生えます。

この理念は、これまでの人生を通じて作られてきたもので、決して他の誰のものでもない自分自身の心の深いところで納得したものです。

そして、理念を持っている人はその理念を語る姿がとても生き生きしていて惹きつけられます。

特に、目がキラキラしていてこの人ともっと一緒に話をしたいと思わせる独特のオーラを身にまとっています。

自分の人生を主体的に生きて誰のでもないオリジナリティを出すことが、自己実現や自己超越の領域にいる方々の働き方です。

俗にいう歯車感を感じることを本当に嫌い、不満を言っても何も変わらないことが分かっているので、どうしたら自分が生き生きと仕事ができるかを考えます。

そして、この生き生きとした働き方は、創造性にあふれ、その人なりの理念がのったオリジナリティを生みます。

そして、このオリジナリティこそが、変化(Volatility)が激しく、不確実性(Uncertainty)が高く先行きが見えない、かつ複雑(Complexity)であいまい(Ambiguity)なVUCAな時代において非常に強みを発揮するのです。

その個人がこだわりを持ったオリジナリティに価値を感じて、周囲がありがとうという感謝の気持ちとしてお金が生まれるのが、人々の欲求が高度化した現代で価値があるのです。

そして、自分の理念が存分に入ったオリジナリティのあることを自分だけで止めるのではなく、他のもっと大きなコミュニティに発信していきましょう。

あなたが、心の深いところで腑に落ちて価値があると思うものならば、必ず価値を感じてくれる人はいます。

また、このような人生を歩むと、達成した時ももちろんですが、プロセス自体に充実感を感じることができ、心理的健康度がすごく高まります。

なので、周りと比べるのではなく自分自身が何をしたいかと一度時間をとってじっくり考えてみましょう。

ここで、ソフトバンク社長の孫正義さんの言葉が、この記事を書いていて思い浮かんだので紹介します。

「自分の持った夢に、自分の人生は概ね比例する結果を生む」

孫さんは、間違いなく「自己超越」の領域で活躍されている方です。

そして、あれほどオリジナリティのある人生を歩んでいる人は世界中探してもほとんどいないでしょう。

ここまで、「自己超越」について話をしてきました。ただ、まだ具体的なイメージがしづらいのではないでしょうか?

そこで、次で「自己超越者」の特徴を11個あげますので、イメージのすり合わせを行ってみましょう。

自己超越者の特徴


 
それでは、自己超越者の特徴について以下で紹介いたします。

1. 「在ること」 (Being) の世界について、よく知っている
2. 「在ること」 (Being) のレベルにおいて生きている
3. 統合された意識を持つ
4. 落ち着いていて、瞑想的な認知をする
5. 深い洞察を得た経験が、今までにある
6. 他者の不幸に罪悪感を抱く
7. 創造的である
8. 謙虚である
9. 聡明である
10. 多視点的な思考ができる
11. 外見は普通である (Very normal on the outside)

マズローによると、このレベルに達している人は人口の2%ほどであり、子供でこの段階に達することは不可能である。

自己実現理論_Wikipedia

こちらは、wikipediaに載っていたのですが、6、11以外は私の頭に描く人物像と一致します。

11番の外見は普通であるというのは、故スティーブ・ジョブズさんや孫正義さんからはイメージできるのですが、「自己超越者」の大半に当てはまるのかというと少し疑問が残りますね。

自己超越と自己実現の関係性は?

最後に、ピラミッドでいうと同じ成長欲求に位置する自己超越と自己実現。

これらの違いについて以下で説明します。

その違いとはズバリ、自己実現は自己超越を目的とした行動の結果に過ぎないということです。

なんなら自己超越のおまけみたいなものです。

利他愛や献身といった自己超越を目的とした時に、副次的なものとして自己実現欲求は達成されるのであり、自己実現が目的になると、他者からよく見られたいなど雑念が入ってくるので、自己実現の領域に到達できずピラミッドの下位の欠乏欲求になってしまうでしょう。

このように、自己を超えた存在を無意識のうちに志向しているからこそ、利他愛や奉仕、献身といったことが自己超越者の特徴となってくるのです。

この、光に向かってひたむきに進んでいくことで、ふと立ち止まった時に自分が輝いて見えることで自己実現欲求が満たされるのです。

この成長欲求の段階は、心理的健康度も非常に高く充実感に人生が溢れるので皆さんも少しずつでもいいので、自分の将来なりたい自分像を明確にして自己超越の域を目指してみてはいかがでしょうか?きっと前よりも自分が好きになれますよ。

まとめ

本記事では、マズローの欲求5段階説と知られざる6段階目の「自己超越」についてお話しましたがいかがでしたでしょうか。

先行きが見えずこれまでどおりのやり方では上手くいかなくなってきた世の中では、ビジョンを持って「自己超越」を目指す人がどんどん増えていくのではないかと思っています。

日々、意識して粘り強く取り組んでいると着実に成果となって返ってくるので、しつこく継続することをオススメします。
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