突然ですが、ゴールのないレースを走ることに対してどう思いますか?
そんなの走れっこないよ、途中でやめてしまうよと聞こえてきそうですね。
しかし、それが日々の生活もしくは長期的な目線で人生となるとどうでしょう?
人生のゴールや成し遂げたいことが決まっていない状態で走ることがどれだけ不安で困難なことか分かっていただけるかと思います。
また、ほとんどの方がはじめて自身の人生について真剣に考えて言語化するのは新卒での就職活動の時ではないでしょうか。
このときに今まで学校でも習ってきたこともない自己分析をする機会が訪れてESに書くために必死になってこれまでを振り返ります。
しかし、目先の内定というゴールを目指すため将来のなりたい像が明確になる人は1%に満たないそうで、自分の周りを見渡してもそのくらいかと思います。
ここでいうなりたい自分像とは働き方や趣味、家族、友人などを含めたもので自分にとっての充実は何かが明確になっている状態のことです。
また、就職後は日々の業務に追われたり家族、家や車のローンなどどんどん責任がのしかかっていき、なりたい自分像を明確にするタイミングは多くの人に再び訪れることはないでしょう。
そうして、年を重ねていくごとに挑戦できない言い訳をどんどん作っていき、「現状に満足はしてないし変えたいとは強く思うけど年をとりすぎた。来世に期待しよう」と同僚や友人と愚痴をこぼし合う週末。
しかし、これまでに出会ってきた人の中には仕事にやりがいを感じ、すごく生き生きとしている人もいます。
では、このようにやりがいを持って生き生きと仕事をする人と来世に期待する人の差はなんなのでしょうか?
それは、「働く」ということに対する価値観の違いで、大きく3つに分かれます。
仕事に求める価値観の3つの段階
①. 義務
義務の段階にいる人は、学生時代のアルバイトややりがいがほとんど感じられない仕事をしている人に多いです。
例えば私が大学の学部生だった頃にお金が必要だった時にやっていた日雇いのバイトなどです。働いた時間に対する時給が決まっていて時給900円ほどでコンサートホールの設営の力仕事をしていました。
この時間は、完全に処理ゲーといった具合でモチベーションは全くなくただただ黙々と目の前の鉄骨を早く時間が過ぎないかな〜と思いながら運んでいました。
②. 成長
成長の段階にいる人は、近年の就活でのホットワードでもあるとにかく成長したいといった人に多いです。
もちろん、成長したいということは素晴らしいことです。ただ、最終的にどういった人になりたいのか分かっていないから長期的に見るといろんなことを経験してるけど何もできない人になる場合が多いのがこの段階の人の特徴です。
また、資格マニアも多いです。将来に対する漠然とした不安が常にあり、何かしらの資格を取って安心をしたいという心境になるのです。
私も、年間30万円ほどする国家公務員の塾に通ったり、年にTOEICの試験を6回受けたりしていた時期がありました。
このときは、とにかく知識をつけようと必死でした。しかし、今から振り返るとTOEICなどを除き今の自分のためになっているものはほとんどありません。正直、認めたくはないですが時間を無駄にしていたと強く思います。
③. 天職
最後に、天職の段階にいる人はやりたいことや理想の自分像が明確になっている人です。この段階になってくると失敗したことも含めて全て経験になります。また、周りと比べることも減りしっかりと軸を持って生きていて他人の人生ではなく自分の人生を歩んでいます。
そして、自己実現をしている人は仕事自体にすごくやりがいがありどんな遊びよりも楽しいなんて人も中にはいます。なので、普通だと定時で仕事が終わった後は仕事のことなんて考えたくないと思う人が多くいる中で、天職の段階にいる人は「え、もう終わったの?」といった具合で、仕事が終わってからもその分野に関するインプットやアウトプットを積極的に行います。
ではさらに、仕事に成長を求めるのではなく天職を見つけることがいいのかについてお話しします。
そもそも悪い方向に行きたいという人はほとんどおらず、できるだけ現状よりも良い方向にと考えると思います。
しかし、人によって何が良い方向なのかは違ってきます。そして、この良い方向の最終地点をなりたい自分像とします。ここでいうなりたい自分像は重ねてにはなりますが仕事だけでなく家族、趣味、友人、お金など様々なものが合わさったものです。
なりたい自分像が明確になっていない状態で日々を過ごしていると自分では良い方向に行こうと頑張っていたとしても上の図のパターン①のように全然違う方向に進んでいってしまいます。
そして、数年もするとこのまま進んでしまうと失敗してしまうと思い始めて方向転換をしようとし始めます。
しかし、この時もなりたい自分像が明確になっていないのであらぬ方向に進んでいき、さまよい続けて死に際になって俺の人生なんだったんだろうとなってしまいます。
ところが、なりたい自分像が明確になっていると上の図のパターン②のように順調に登っていくことができます。この時に、実際に開けている道や自分で開拓する道が最短距離で頂上を目指せるものであるとは限りません。
しかし、頂上が見えている分日々のつみ重ねはすべて目標を達成することにつながり決して無駄にはなりません。また、回り道をしたとしてもすべて経験となりその人の個性となり武器となります。
仕事に対して、成長であったり裁量権を求める人は増えていますし成長をしようということ自体はものすごく大切なことだと思います。
ただ、理想の自分像を考えることなく成長を追い求めてしまうと延々と続く短距離走をしているようなものですぐに疲弊してしまい自分を見失ってしまう。
ですので、一度自分の時間をしっかりと取ってどんな人になりたいのか、その目標に対してどういった行動をすれば近づけるのかを考えてみてはいかがでしょうか。