カスタマーサクセスとは?注目されている背景と今すぐ取り組むべき理由


「カスタマーサクセスって言葉を今年に入って耳にするようになったけどよく分からない」

「どうすればカスタマーサクセスを自社でうまく機能させられるかを知りたい」

「新たにできたカスタマーサクセス部に配属されたけど分からないことだらけ」

といったことはありませんか?

近年、多くのIT企業で導入が始まっているのがカスタマーサクセスです。2018年6月時点で、カスタマーサクセスチームを導入している企業の74%が成果を実感できているというデータもあります。

その背景をご説明しましょう。

従来のIT業界は「商材を一度売ると顧客との関わりはそこで終わり」という売り切り型のビジネスモデルが主流でした。そのため、商材も高額にならざるをえず、導入のハードルが高くなっていました。

しかし、このビジネスモデルでは
企業  :会社の売り上げが営業次第になり、経営が安定しない
ユーザー:高額商材を購入したものの満足できないというリスクがある
といった課題がありました。

そこで、企業とユーザーの双方に寄り添ったビジネスモデルとして近年注目されているのがサブスクリプション型のモデルです。

このモデルは、従来の課題を解決するために生まれたものです。

そして、このモデルでは商品を売ってから長期的な信頼関係を構築する部門が非常に重要となっています。したがって、カスタマーサクセス部が多くの企業で立ち上がっています。

そこで、今回の記事では「カスタマーサクセスとは何か?」や「なぜ今カスタマーサクセスが注目されているのか」について書きました。

では、カスタマーサクセスとは何かをまずは見ていきましょう。



カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、主にサービス受注後に
①サービスの利用を継続してもらうこと
②「Up-sell(サービスのアップグレード)」と「Cross-sell(自社の他のサービスも合わせて購入してもらうこと)」
の2点をミッションとして売り上げに貢献する組織のことを指します。

ここで、売り上げを式で表すと

売り上げ = 利用回数 × 価格
(ここで、利用回数と書いていますが、SaaSモデルでは更新回数のことです。)

となり、カスタマーサクセスは上式の2つの要素を高める役割を担います。

特に、サブスクリプション型のビジネスモデルでは、一般的に6~12ヶ月間継続して利用してもらうことで初めて利益が出るといわれているため、継続率が重要視されています。

そのためには
・サービスのファンになってもらうこと
・ユーザーに信用を抱いてもらうこと
の2点が大切です。

この2つは継続利用をしてもらえたり、個人や企業として信頼を得ることでアップセルやクロスセルに繋がったりすることに大きく関わってきます。

また、サービスに関する良い口コミが広がり、営業やマーケティングのコストをかけずに受注できる可能性もあがります。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサクセスと似た言葉にカスタマーサポートがあります。

カスタマーサポートは受動的な業務がメインですが
カスタマーサクセスは受動的な業務に加えて主体的な業務がメインとなります。

例えば、顧客からプロダクトの使い方に関して質問された時に

カスタマーサポートはマニュアルに沿ってプロダクトの機能に関して回答します。

一方、カスタマーサクセスは単なる機能紹介だけではなく、顧客の解決したい課題を意識しながら最善の方法を回答することが求められます。

また、顧客の悩みや痛みを先回りして察知し、そもそも質問が来ないように行動することが重要となります。

加えて、カスタマーサクセスはお客様の声を基にエンジニアや営業を巻き込んで、プロダクトをどんどん改善することも求められます。

このように、カスタマーサクセスはカスタマーサポートに比べて極めて主体的に動き、顧客の課題を解決する組織のことを言います。



カスタマーサクセスが重要な理由

サブスクリプション型のビジネスモデルは、従来の売り切り型のビジネスモデルに比べて以下の特徴があります。

企業側の視点では
・未来の収益を安定して見込めるため、経営が安定する
・商材が従来に比べて安価なため、取引先の数が増える

ユーザー視点では
・常にアップデート・改善されたサービスを使用できる
・月額で安価な金額を支払えば、簡単に利用開始できる

つまり、ユーザーはサービスが合わなかった時の損失を小さく抑えれるので、簡単に利用を開始することができます。

一方で、先ほども言ったようにサブスクリプション型のビジネスモデルは、長く利用してもらって初めて利益が出るモデルであるため、すぐに解約されると企業側にも損失が出ます。

また、すぐにサービスを解約されるのは、ユーザー側に価値を提供できていないことを意味します。

つまり、この状態では企業側もユーザー側も不幸になってしまいます。

そこで活躍するのがカスタマーサクセスです。

カスタマーサクセスは、ユーザーにサービスの価値を感じてもらえるように
・導入支援
・目標設計
・営業やエンジニアとの連携したプロダクト改善
などを行います。

そうすることで、企業はユーザーと信頼関係を構築することができ、ユーザーにファンになってもらうことができます。

するとユーザーに継続的にサービスを利用してもらえるので、企業は経営が安定し、またユーザーはよりいいサービスを受けることが可能になります。

このように企業とユーザーがともに価値に対する意識を高めることで、サービスを改善し続けることができます。

そうすれば、ユーザーあたりの平均利用回数の増加がおのずと見込めます。

そして、ファンになってもらえれば口コミで広めてもらうこともできます。

また口コミが広がれば、営業やマーケティングのコストをかけずに優良なユーザーを獲得することができます。

このように、サブスクリプション型のビジネスモデルは会社の利益もユーザーの満足度も追える良質なモデルと言えます。

そして、カスタマーサクセスはその中核を担っています。

したがって、これまで以上にサブスクリプション型のビジネスモデルは注目され、カスタマーサクセスがますます重要になるでしょう。

まとめ

今回は、カスタマーサクセスについて書きましたがいかがでしたでしょうか?

今後、サブスクリプション型のサービスは増え続けることが予想され、ファンや信用を獲得していけるサービスのみが選ばれ続けるでしょう。

そして、その中心を担うのは、紛れもなくカスタマーサクセスです。

なんといっても最大の魅力は、企業もユーザーもそしてあなた自身も満足感を感じられる点です。

現在の仕事に満足感を得られていないと感じるのなら、カスタマーサクセスという職種を検討してみるのも一つの手です。

きっとこれまでよりもあなたが好きなあなたになれますよ。