あなたはこれまで、「決断」という行為を何度経験してきましたか?
進学、就職、結婚、出産など人生の大きな節目には、決断がつきものです。
また、ビジネスシーンでも決断は避けては通れません。
一言に決断と言っても、中には「会議で発言する」といった小さな決断から、人生に大きな影響を与えかねない「転勤」や、会社の未来に直結しうる「商談の合意/決裂」などの大きな決断もあるでしょう。
このように、誰しもが経験する「決断」の瞬間。
「もっと自信をもって決断できたら」「あの時こうしていたら」と悔いが残ることはありませんか?
そこで本記事では、大きな決断の場に立ったときも怯まず悔いのない決断ができるよう、「決断力」を鍛えるための方法をまとめました。
本題に入る前に、まずは決断力の意味から見ていきましょう。
目次
決断力とは
決断力とは、判断力と覚悟どちらも兼ね備えた能力です。
すなわち、絶対的な確信が得られない中でも集めた情報を基に、「○○を得るために××を手放す」というリスクをとる覚悟のことをいいます。
たとえ「現状維持」という決断をして一見何も失っていないように見えても、現状維持を選ばなかった場合に得られたはずの何かは切り捨てています。
また、どれだけの判断材料を集めたところで、「未来」という不確定要素がなくならない限りは絶対的な確信を持った決断はできません。不確定要素が大きければ大きいほど、より強い覚悟が必要になります。
「決断力」と「判断力」の違い
ここでもう一度整理をしたいと思います。
先ほど、決断力とは判断力と覚悟を両方兼ね備えた能力だと紹介しました。
ただ、この決断力と判断力、何が違うの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで、決断力と判断力の違いについて改めてまとめてみます。
決断力は、とにもかくにも何かを決める/選択する力であり、
その際になぜそのような決断をするのかを評価するために、必要になるのが判断力です。
そして判断力は、目の前で起きている状況の中から必要な情報を整理し、その情報を基に論理的な選択をする力のことです。
決断の優劣を決めるものとは
ここまで、決断力そのものについてご紹介してきましたが、
正直なところ、自分がした決断が良いかどうかは結果が出るまではわかりません。
ただ、これまでの決断を振り返ってみて、良い決断と悪い決断を分けるのは、先ほども少し触れた以下の2点だと思われます。
決断の優劣=①決断における納得度合い✕②行った決断に対する覚悟の強さ
良い決断とは、自分にとって納得感があり、なぜ納得できるのかを言語化できている選択のことではないでしょうか。
その上で、1つ1つの決断に対して強い覚悟を持つことの積み重ねにより、質の高い決断力が身についていくのです。
決断力がない人の特徴
では、ここまでにご紹介した決断力をすでに持っている人、持っていない人にはどのような特徴があるでしょうか?
まずは持っていない人の特徴から紹介していきます。
【決断力がない人の特徴】
① 意見を求められると「どっちもいいと思う」と言いがち
② 常に正解を求めてしまう
③ 自信がないように見える
④ 何かをはじめるときにまず失敗のイメージが頭をよぎる
⑤ リーダーになりたがらない
⑥ 失敗や不幸の原因を他人のせいにしてしまう
⑦ 先延ばしにしてしまうクセがある
⑧ 最後は誰かが助けてくれると思っている
⑨ 知的好奇心が低く、情報収集をする習慣がない
多くの場合決断力がない人は、上記9つの特徴のどれかが当てはまります。
たとえば、常に「自分の考えは間違いかもしれない」「自分の考えなど、形にする価値もないのではないか」というように迷いがある人は、③の『自信がないように見える』という特徴が当てはまります。
この特徴を持つ人は、どんなに一生懸命考えて出した答えであっても、それを実行するということに踏み切れません。
自分の考えに100%自信を持っている人なんて存在しませんが、決断力のない人は特にその傾向が強いと言えます。
仮に何とか決断を下せたとしても、もともとの自信のなさ故、すぐに決断を覆してしまうという危険もはらんでいます。
また、何か失敗をするたびに「周りの人が悪い」「環境が悪い」「世の中が悪い」「自分に責任はない」と、自分以外のせいにすることが多い人は、⑥の『失敗や不幸の原因を他人のせいにしてしまう』という特徴が当てはまります。
このような人々は、何かにつけて不満を抱えていても、自分から動こうとしないために現状を変えることはできず、うまくいかないことばかりの人生になってしまいます。
決断力がある人の特徴
決断力がない人の特徴がおおよそ把握できたところで、次は逆に決断力がある人の特徴を紹介していきます。
【決断力がある人の特徴】
① 失敗に対する心理的ハードルが低い
② 自信は行動の中からしか生まれないことを知っている
③ できない理由ではなく、できることから考える癖がある
④ 決断をする際に、他者からどう見られるか気にしない
⑤ そもそも正解なんてないとわかっている
⑥ 決断を振り返り、深い反省と改善を行う
⑦ 何かを得るためには何かを捨てる必要があることを知っている
⑧ 自身が選択したことを正しくできるのは、自分次第だと知っている
⑨ 何事も先延ばしにしない
上記9つのうちいずれかが当てはまる人は、「決断力がある」と断言できるでしょう。
たとえば、「いくら失敗したところで、それによって自分の価値が下がることはない」「むしろ失敗によって成長し、価値は上がるとも考えられる」と、失敗に対してポジティブな考えを持っている人は、①の『失敗に対する心理的ハードルが低い』という特徴が当てはまります。
このような人々は、目の前の選択肢に対して「どれが正解か?」という考えを持ちません。
それぞれに良い点と悪い点があり、何を選択したところで、学ぶものは少なからずあるからです。
また、自分で決断する力を持つ人は、もし失敗しても、自分の何が悪かったのかを振り返り、変えるべきところは変え、足りないところは補おうとします。
これは⑥の『決断を振り返り、深い反省と改善を行う』という特徴であり、彼らは自分が動くことで、失敗した後の状況をなんとか打破しようと考えを巡らすのです。
日本人に決断力がある人が少ない理由
ここまで見てきたように、決断力がある人とない人では明らかな違いがあります。
また、『12人の優しい日本人』(1991年公開・アルゴプロジェクト)という日本人ならではの優柔不断さを風刺する映画があるように、
日本人の国民性として決断力のなさが指摘・批判されることも多いですよね。
その原因は、大きく2つ考えられます。
原因①:親の過保護さ
みなさん、子供の頃に何かやりたいとなった時に親に止められた経験はありますか?
そして、そのときのことを今思い返してみて「小さな子どもは自分で意思決定ができないからだ」と思っていませんか。
もちろんそう思われない方もいるでしょうが、そのような考えが一般的な社会通念となっているように私は思います。
とりわけ親の立場にある人々は子どもが生まれた頃からお世話をし続けているので、
「ちょっと前までオムツも自分で履けなかった子が自分で何かを決断できるわけがない」
「自分がしてきた失敗を子どもにさせないように、きちんと管理してあげなくては」
と思われるのではないでしょうか。
そうして親が子どもから決断の機会を奪い、自分が選んだ選択肢を与え続けることで、やがて子どもは「親に従ってさえいればいいんだ」と学習し、自分で考えて決めるという行為を放棄していきます。
すると、もし親の決断に従ったことによって失敗したとしても親のせいにすることを覚え、その結果、他人任せにする癖がついてしまうのです。
また、このように親に決められたとおりに育った子どもは自分が大人になったとき、「小さな子どもは自分で意思決定ができない。なぜなら私がそうだったから。」と考えるようになり、同様の教育を自分の子どもにも施します。
原因②:学校教育制度
現在の日本の学校では、大多数が受験や期末テストなどの1つの目標に向かって、答えのある問題を解き同じような知識をひたすら詰め込むことが当たり前となっています。
なので、学生は「とにかく知識を詰め込んでテストで高得点をとることが偉い、成績が良くないのは悪」と思うようになり、大人になってからも本当は答えなどないのに正解を求めてしまうのです。
決断力がある人になるには
ここまでご紹介してきた通り、日本人は親や学校など、様々な影響の結果決断力を養えなかった人が多いのでしょう。
しかし、一度受けた教育を別の方法でやり直すことはできません。
そこで、ここからは日々の生活の中で決断力を身につけていく方法を3つ紹介していきたいと思います。
決断を先延ばしする言葉を使わないようにする
ここまで読んできた中で、「私は決断力がありそうだ」と思った方、少しだけ思い返してみてください。
例えば、上司や同僚、友人などから食事や新しい仕事の提案など、何かに誘われたとします。
その際決断するのに十分な情報を与えられているにもかかわらず、「行けたら行く」「検討させていただきます」などとお茶を濁したことはありませんか?
そのような曖昧な返答をしていては、せっかくのチャンスを逃しかねません。
「善処する」「検討する」などの言葉を使わないように努めるだけでも、あなたの決断力は高まるでしょう。
できない理由ではなく、どうしたら出来るかを考える
できない理由を探すことはできる方法を考えるよりもずっと簡単ですし、どうしても人は楽な方に流れてしまいがちです。
あなたは無意識のうちに、「最後はあの人がどうにかしてくれる」「自分にはどうすることもできない」と思い込んでいませんか。
そんな気持ちのままでは、どちらにしろ何かを為すことは到底できないでしょう。
はじめのうちは「私がもっと○○ならよかったのに」「△△さえあればなあ」と諦め口調でもいいので、何があれば目の前の困難を乗り越えられそうか、考えてみてください。
やるかやらないかで迷ったときは、とりあえずやってみる
「やるか、やらないか」で迷ったとき、多くの人がその選択を「できるか、できないか」にすり替え、結果として「やらない」選択肢を選ぶでしょう。
人は誰しもが新たな挑戦には不安を抱きますし、失敗を恐れるものです。
それは当たり前のことですが、だからといって「やって失敗するよりはやらないほうが安全」と挑戦から逃げ続けていては、いつまでたっても決断力は身につきません。
そうはいっても、今後の人生を大きく左右するような選択の際、必ず「やる」ことを選べとは言いません。逃げることもまた、私たちが使えるカードの1つです。
しかしせめて、それほどでもないスケールの決断の場では必ず「やる」ことを選ぶようにしてみてはいかがでしょうか。「とりあえず」「試しに」くらいの意識で、ポジティブな選択をするクセをつけるのです。
やってみると分かりますが、実際にやってみて上手くいくことは予想しているよりも多いですし、上手くいかなくても自分の成長につながるいい経験となることは少なくないですよ。
まとめ
ここまで決断力を身につけるための方法をいろいろとご紹介してきましたが、結局のところ1番大事なことは、
「どの道を選んだところで地球が滅んだりはしないし、私が死ぬわけでもない」
と肩の力を抜いて気楽に選択することだと思います。
あなたがやることなすこと、全てがこの先に意味を成すでしょう。
そう思ったら、選択することのハードルが少し下がったような気がしませんか?
鋼の決断力で、自分の生きる道は自分で切り拓いていきましょう!
日々、意識的に決断をし、粘り強く取り組んでいると着実に成果となって返ってきますよ。
ただ、今あなたがいる環境が辛く、かなりの息苦しさを感じているのであれば、日々を積み重ねる余裕はないことと思います。
また、そうして無理を続けているといづれ必ず身体にガタがきます。
とはいえ、転職しようと思ったとしても自分が受かるところで、今よりいい会社ってあるのかなと不安になりますよね。
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