あなたはどんなマインドセットを持っていますか?
マインドセットという言葉、最近よく聞きますよね。
ですが結局、どのようなマインドセットでいることが良しとされているのでしょう。
分かっているようで難しい、マインドセットという言葉。
本記事では、マインドセットの意味や、成長のために重要な「成長マインドセット」の意味・メリット、最後に成長マインドセットを身につける方法についてご紹介します。
目次
マインドセットとは?
マインドセットとは、物事に対する見方や、判断をする際の基準となるもので、その人がこれまでに受けてきた教育や、経験、価値観などから影響を受けています。
例えば、失敗をしたときや困難な局面に直面したときにどのように捉えるかはその人自身のマインドセットにより異なります。
失敗や困難をネガティブに捉え、立ち止まってしまう人もいれば、成長の機会と捉えて、奮起する人もいます。
このように、その人が持つマインドセットにより物事の捉え方や行動は変化し、数年単位では大きな差として現れていきます。
成長マインドセットとは?
マインドセットには、「成長マインドセット」と「固定マインドセット」の2種類があり、「成長マインドセット」とは、読んで字のごとく成長・成功する人に共通する考え方のことを指します。
一言でいえば、「努力すればするほど、自分の能力は高まる・もっと成長できる」と考える傾向のことです。
すなわち、自分自身の能力の限界はまだまだ先にあると信じて疑わず、努力に対して前向きでいつづけることを常日頃大事にしているのです。
そのため、成長マインドセットを持つ人は学びの機会を非常に大事にし、
何かの課題やできごとに触れた際、常に自分が学べることがあるか、成長できるか、という視点で考え、失敗をも自分の学びとして咀嚼してしまう。そんな特徴があります。
成長マインドセットはほかにグロース・マインドセット、しなやかマインドセットとも呼ばれますが、いずれにしても意味は変わりません。
なんとなく頭の片隅に置いておいていただければ大丈夫です。
一方で、対照的な考え方として挙げられるのが「固定マインドセット」です。
固定マインドセットの人は、人の能力の限界値は決まっていて、限界以上に成長しようとする努力は無駄である、と考えます。
要するに、固定マインドセットを持つ人は”成長”よりも”現状維持”を優先するのです。
固定マインドセットを持つ人は、「成長のためにリスクをとることはしたくない」と考え、新しい挑戦を避けたり失敗を恐れる傾向があります。
また、今の自分を変えることを嫌うため、いわゆる”コンフォートゾーン”の中で仕事を完結させようとします。(コンフォートゾーンについての詳しい説明はこちら)
もちろん、失敗を恐れリスクを回避するよう対策すること、起こりうる最悪の事態を予測して回避できるよう行動できることはビジネスマンとして素晴らしい能力です。
ただ、そもそもの新しい機会やチャンスに対して手を伸ばせないようでは、そのリスク回避能力も活用しきれず埃をかぶってしまうでしょう。
このようなマインドセットの違いは、個人だけでなく企業や組織にも当てはまります。
例えば、積極的に若手人材を登用したり挑戦を重んじるカルチャーの企業であれば成長マインドセットになるでしょう。
具体的には、創業者の口癖であった「やってみなはれ」という言葉が今も企業全体に浸透しているサントリーホールディングスなどは分かりやすい例ですね。
一方、旧態依然として同じビジネスを続けたり、保守的で新しい挑戦を良しとしないような環境であれば、固定マインドセットになっている企業と言えます。
以上のような違いは、企業理念に表現されたり、上層部の意識がそのまま反映されることでしょう。
まずは自社がどちらのマインドセットなのかを知り、そもそも従業員や上層部、社風として成長する準備が整っているか、を見定めることが重要です。
従業員はそのまま会社のマインドセットを映す鏡であり、学びや挑戦を重んじる会社では前向きに成長を志す人が多くなり、保守的な会社ではいわゆる腰かけ社員のような人が多くなるはずです。
多くの従業員が成長マインドセットを持つ会社は、やはり会社全体として成長します。
では、2つのマインドセットによる考えの特徴を状況別にもう少し深堀してみましょう。
《状況別》成長マインドセットと固定マインドセットとの違い
困難に直面した時
成長マインドセットを持つ人は、困難に直面した時に学ぶ機会と捉えます。
”障害”ではなく”チャンス”と考えるのです。
この考え方のメリットとして、”臨機応変な対応力が磨かれる”ことが挙げられます。
なぜなら、困難に対する対処法を積極的に学び、自身の中に経験値として積み上げられていくからです。
一方で固定マインドセットを持つ人は、困難に直面した時には自分の能力の限界を感じ諦めてしまいます。
スキルの習得が必要な時
成長マインドセットを持つ人は、スキルの習得が必要な時は積極的に勉強・経験の時間を増やして知識を吸収していきます。
この考え方のメリットとして、”自分が対応できる範囲がどんどん拡がり、深まる”ことが挙げられます
なぜなら、現状の知識を完全とせず、日々知識や経験をアップデートすることで、自分のできることを少しでも増やそうと考えるからです。
一方で固定マインドセットを持つ人は、スキルの習得が必要な時でも現状が自身の限界値と捉え、現状の知識・経験のみでできることをしようとします。
自分の行動を評価する時
成長マインドセットを持つ人は、自分の行動を評価する時に結果だけでなく過程を重視します。
結果がどうであれ、そこにたどり着くまでのプロセスにおいて自分が成長できたかどうか、が重要であるためです。
この考え方のメリットとして、”どんな結果になってもへこたれない、前向きな思考でいられる”ことが挙げられます。
一方で固定マインドセットを持つ人は、自分の行動を評価する時には結果のみを見て、かつ他人からどのような評価を受けるかを最も気にしてしまいます。
ここまでご説明した中でお分かりの通り、あなたがもっと成長したいと考えたときには、やはり固定マインドセットよりも成長マインドセットでいるほうが効果的です。
では、実際に成長マインドセットを身につけたい場合、どのようなことを実践するのがよいでしょうか?
次に明日からできる成長マインドセットを身につける方法をご紹介します。
成長マインドセットを身につけるには
自分の都度都度の思考を振り返り、現状の自身のマインドセットを把握する
成長マインドセットを身につける方法の1つ目は、”自分の都度都度の思考を振り返り、現状の自身のマインドセットを把握する”です。
まずは現状把握が大切です。
あなたは先ほどの項目で挙げた状況で、どのように考え、どのように行動するでしょうか?
おそらくどのような状況においても100%成長マインドセットの人、あるいは固定マインドセットの人というのはかなり少数派で、状況によって切り替わるというケースが大半です。
自分がどのような状況で成長マインドセット/固定マインドセットになっているか、割合はどのくらいかをまずは振り返ってみましょう。
目標を明確にする
成長マインドセットを身につける方法の2つ目は、”目標を明確にする”です。
現状を把握できたら、次は目指したい状態を明確にします。
目指したい状態が自分にとって魅力的なもの、気分が高揚するものであれば、行動を起こすハードルは下がり、継続して取り組んでいくことができます。
目指したい状態を考える際には、自分が求めることやありたい姿、興味があること、今後得意にしていきたいことなどをきっかけに考えていくことはおすすめです。
ここで1つ注意が必要なこととして、世間体などを気にして考えた目標というものは、一見かっこよく見えますが、仮初めの目標である場合が多くあなたのモチベーションを真に高めてくれるものにはならないでしょう。
どういう人に自分はなりたいかを考え、心から目指したいと思う状態を設定していくことが大切です。
当事者意識を持つ
成長マインドセットを身につける方法の3つ目は、”当事者意識を持つ”です。
例えば失敗したとき、あなたなら原因をどのように分析するでしょうか。
原因は大まかには以下の3つに分けられると思います。
①自身の能力やパフォーマンスなどにまつわる原因
②他人の能力やパフォーマンスなどにまつわる原因
③さまざまな条件が重なった、そのときの状況にまつわる原因
このときあなたが改善を試みることができるのは①のみです。
あなたは何でもかんでも②や③のせいにしていませんか。
はたまた①の責任ばかりを感じて、心が疲れてしまっていませんか。
成長マインドセットを持続させるためには、当事者意識を持ち、自分の責任範囲を明確に理解しておくことがとても重要です。
自分で背負いこみすぎず、かつ投げやりになりすぎないバランスを模索していきましょう。
周りで成長マインドセットを持っている人を見つける
成長マインドセットを身につける方法の4つ目は、”周りで成長マインドセットを持っている人を見つける”です。
実際に成長マインドセットを持ち日々行動している人に刺激を受けることも非常に有効な方法です。
実際の同僚・知り合いでも有名人でもいいですし、参考にするときは直接会いに行って話を聞くのも、もし書籍や動画などが出ているのであれば、見たり聞いたりしてその方の考え方を知るのもよいでしょう。
結果だけではなく過程や成長できているかを重視する
成長マインドセットを身につける方法の5つ目は、”結果だけではなく過程や成長できているかを重視する”です。
成長を志す人にとっては残酷かもしれませんが、自分の努力に結果がついてくるなんて都合の良いことはあまり起こるものではありません。
結果には自分の努力以外にも外的要因が影響していて、自分でコントロールすることはほぼ不可能です。
そのため、結果そのものも大切ですが、過程を振り返ることもしましょう。
あなたがどれだけ努力したか、どれだけ成長できたか・学ぶことがあったか、を評価して次の機会のより良いパフォーマンスにつなげていければ、それこそ先々の結果は全く変わってくるはずです。
おわりに
成長マインドセットの大切さ、身につけることの価値について話をしてきましたがいかがでしたでしょうか。
成長マインドセットがいかに大切といっても、100%身につけられることはほとんどなく、成長マインドセットと固定マインドセットの両方を併せ持ち、状況によって頭が自動で切り替わる、というのが普通でしょう。
私個人としては成長マインドセットに100%染まる必要はないかなと思っています。
どんなに素晴らしい会社や環境に身を置いていたとしても、自分を守るためにちょっと斜に構えてみたり、時には悲しみや怒りに浸ることが必要になる状況もあるはずです。
また、成長を追い求めるだけが人生ではありません。たまには立ち止まって、好きなことを好きなだけする、あるいは何もしないような、羽休めの時間も必要です。
あなたのペースで成長できるようマインドセットを育てていきましょう。