あなたは日頃、自分の今の実力を超えた仕事にどのくらい挑戦できているでしょうか?
ビジネスパーソンが成長するために意識すべき概念の一つとして、「コンフォートゾーン/ラーニングゾーン/パニックゾーン」があります。
本記事では、それら3つの概念と、「コンフォートゾーン」から抜け出すための4つの方法についてご紹介します。
目次
コンフォートゾーンとは?
コンフォートゾーンとは、「今の実力でできること、慣れ親しんだやり方で続けること」などを指します。
仕事に限らず、例えば家事や趣味においても慣れ親しんだやり方や自分の中のルーティンを持っている人は多いのではないでしょうか。
確かに仕事や生活の「継続」という観点では、自分のルーティンを繰り返すことに何ら問題はないでしょう。
しかしこれからもっと成長したい、大きな仕事を任されるようになりたいと向上心を持つ方にとってコンフォートゾーンの中だけで仕事を続けることはとてももったいないことです。
今の仕事内容を続けるだけでは、経験できる内容はもちろん一緒に働く人などの環境も慣れ親しんだもののままとなり、異動したとしても同じ部署内であれば大きく変化はありません。
そんなコンフォートゾーンを抜け出した先にあるのがラーニングゾーン。
自分にとってできるかどうか分からない、未知の領域に入ります。
ラーニングゾーンでは、自分の今までのスキルセットがあまり通用しないので、新しいことができるようになるための勉強が必要になったり思うように進まない中でも脳に汗をかきながら根気強く行動し続ける努力が必要になっていきます。
そして、ラーニングゾーンのさらにその先にあるのがパニックゾーンで、今の自分では能力的に到底成し遂げられない、キャパシティを完全に超える仕事量をしているなどです。
例えば、絶対にありえないことですが、新卒1年目社員が上場企業役員の仕事を任されるような状態です。
パニックゾーンは、上司や他者が業務内容をよく把握せず任せてしまいパンクしてしまうパターンか、自分の能力や特性をきちんと把握できていない場合に起こりえます。
一見荒療治的で急速に成長できるのではないかと思われますが、実際には精神的に追い詰められたり場合によっては身体的ダメージをきたしたりなど、生産的な学びが得られる状態とは言えません。
そのため成長したいと思うのであれば、慣れ親しんだ仕事や環境を抜け出して少しずつラーニングゾーンに入っていきましょう。
ただ、ラーニングゾーンは脳が全力疾走しているようなものでずっとラーニングゾーンにいると疲弊してしまうため、コンフォートゾーンとラーニングゾーンを行き来するような状態を取れるとベストです。
コンフォートゾーンから未知の領域であるラーニングゾーンに進んでいくことが大切とお話ししてきましたが、コンフォートゾーンから抜け出して行ける人は多くありません。
そこで次の項目では、人がなぜコンフォートゾーンから抜け出すことが難しいのかについてご説明します。
コンフォートゾーンから抜け出すのがなぜ難しいのか
コンフォートゾーンから抜け出せない理由は、未知の領域に対する恐怖や不安が勝ってしまうからです。
今までやったことがないことをやるときには、大丈夫かな?自分にできるのかな?と誰しもが不安になるでしょう。
どんな不安が感じられるかというと、
「求められていないことをして怒られたり無能だと思われてしまわないか」
「自分のやること為すことが無駄になってしまうかも」
「達成した自分が想像できない・先のビジョンが見えない」
などは思い当たるものもあるのではないでしょうか。
コンフォートゾーンから抜け出すには自分の能力やスキルのレベルアップが必要ですが、上司や先輩など先達者に相談しようと思っても相談しづらく、そのまま時間が経って不安が増幅してしまうケースや、中にはパニックゾーンに入ってしまうケースを経験した方もいることと思います。
結局、自分にはできない理由を考えることで自分の行動するハードルを知らず知らずの内に高くしたり、腰を重くしてしまっているのです。
しかしこれは、外部の環境が変化しても体を一定の状態に保とうとする「ホメオスタシス」という生物の体の仕組みの一つで、どんなに良い方向であっても自分の居心地の良い範囲から抜け出すことを脳が拒んでしまうのです。
では、未知への恐怖や人間の脳の特性を乗り越えてコンフォートゾーンを抜け出すためにはどうしたらよいのでしょうか。
コンフォートゾーンから抜け出す方法とは
ロールモデルを見つける
コンフォートゾーンから抜け出す方法の1つ目は、ロールモデルを見つけることです。
未知のことに対しては、誰でも「自分は果たしてちゃんとできるんだろうか」と不安になるものです。
そんな時は、自分がやりたいことをすでにやっている人(ロールモデル)に相談し、気をつけるべきポイントや起こりうるトラブルを聞くようにしましょう。
実行に対する現実味が増し、実現するスピードも早くなっていくので、自分がやろうとしていることですでに成功している人がいないかぜひ探してみてください。
軽い気持ちでやってみる
コンフォートゾーンから抜け出す方法の2つ目は、難しく考えずとりあえずやってみることです。
行動ができない人にありがちなのは、理想ばかり高く挑戦する前から自分のハードルを上げすぎてしまうことです。
そうなると、前に進むための行動ができず、行動ができなければ何もできないままチャンスが通り過ぎ、壁を超えられない経験が積み上がって自信を失っていくこととなります。
また、自信を失うと次に壁が出てきたときも、無意識にハードルを上げてしまい、どんどん負のスパイラルに陥ってしまうことでしょう。
考えているだけで、何もしなければ前に進むことはありません。
これから起こりうるトラブルを想定できることは慎重さという長所とも言えますが、まずは「軽い気持ちでやってみる」ことを試してみてください。
最悪の状況を考え抜く
コンフォートゾーンから抜け出す方法の3つ目は、徹底的に最悪の状況をシミュレーションすることです。
これは「まずは軽い気持ちでやってみてなんて簡単に言わないでよ」と思った方におすすめの方法です。
自分が未知のことに挑戦したときの状況について、ひたすら悪い方向に想像を働かせてみてください。
例えば、周囲の人の期待を一身に背負った一世一代の商談が失敗に終わったとします。
その場合、上司からは怒鳴られ同僚からは励ましという名のマウントをとられ、もうそんなチャンスは二度とこないかもしれません。
責任を取って仕事を辞めなければならなくなるかもしれません。
慌てて転職活動をしても、仕事に失敗して解雇されたなんて伝えればどの会社にも雇ってもらえないかもしれません。
貯金はすぐに底をつくでしょうし、当然今と同じような生活水準は維持できず我慢の多い生活になるでしょう。
しかし、たとえ正社員に戻れずとも、アルバイトの掛け持ちや非正規雇用、今までの経験を生かした業務委託などできる仕事は思いの外あるものです。
また、もしどの仕事にも就けなくとも、日本においては失業保険が支給されますし、申請すれば生活保護を受けられる可能性だってあります。
このように、最悪の状況を考え抜いた結果「もし失敗しても人生が終わるわけではない」と思えると少しは気持ちが楽になったのではないでしょうか。
最悪のシミュレーションをし、不安な気持ちと向き合うことで、挑戦できることを少しずつ増えしていきましょう。
本気で叶えたい目標を設定する
コンフォートゾーンから抜け出す方法の最後は、本気で叶えたい目標を設定することです。
あなたには、人生を懸けてやりたいことがありますか?
本気で成し遂げたい目標はありますか?
なにがなんでも達成したい目標が見つかると、自分でも驚くほど頑張れてしまうものです。
そして、その目標の実現に向かってひた走っていると気づいたらコンフォートゾーンから抜け出していたということはよくあります。
最後に、目標を決める際には、他人から言われたものではなく、自分の意志でやりたいと思うことにするのが大切なのでその点はお気をつけください。
おわりに
今回は、コンフォートゾーンとは何か、なぜコンフォートゾーンを抜け出すことが難しいかのご説明と、抜け出すための4つの方法をご紹介しました。
誰でも初めてのことには腰が引けてしまうものです。
ただ、コンフォートゾーンを抜け出せると今までとは違った体験やまだ見ぬ世界を知ることができます。
あなたが目標に向かって一歩踏み出すために本記事が参考になりましたら幸いです。