仕事でもスポーツでもそうですが、成果をあげられる人とあげられない人の違いを生むのは、集中力の高さではないでしょうか。
ただ、スマホやテレビ、漫画などこれほど誘惑が多いと集中力を高めることは難しいですよね。
また、ほとんどの取り組みには期限があり決められた時間の中でいかに成果を出すかが重要です。
そのため、集中力を長時間高く保って生産性を上げるにはどうすればいいかを考えなくてはいけません。
しかし、
「集中して取り組もうとは毎回思っているんだけど、気づいたら別のことを始めていて」
「短時間の集中もできない自分はなんてダメなんだろう。でも、どうすればうまく集中できるか分からない。」
といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
そんなあなたにおすすめしたいのが、超時間管理術「ポモドーロテクニック」です。
こちらのポモドーロテクニックですが、私は長年集中力が低いことに悩んでいて、そんなときにすごく仕事ができる先輩が実践していたのを自分も取り入れたといった経緯です。
とにかく簡単なのと集中力や生産性の向上に驚くほどの効果がありました。(もちろん無料です。)
また、つい先日YouTubeを見ていると午前中だけで何冊もの本を読み、長時間術や超集中力でおなじみのメンタリストDaiGoさんも「ポモドーロテクニック」を取り入れているのを知りなんだか嬉しくなりました。(ただのファンです。笑)
そこで、今回の記事では私自身も取り入れて1年ほどが経過して効果を実感しているポモドーロテクニックについてご紹介いたします。
目次
ポモドーロテクニックとは
ポモドーロテクニックは、作家で起業家でもあるフランチェスコ・シリロ氏によって開発されたメソッドです。
ちなみにポモドーロという名前は、このポモドーロテクニックを実践する際にシリロ氏が使っていたのがトマト型のキッチンタイマーだったためで、イタリアではトマトのことをポモドーロというからです。
また、方法は非常にシンプルで25分の作業と5分の休憩を1セットとして短時間で集中力を一気に高めて作業に没頭するというものです。
個人差はもちろんありますが、多くの人は長時間集中力を高く保つことができないのと、仮に長時間集中できたとしてもものすごく疲れてしまいます。
しかし、このポモドーロテクニックは1ポモドーロ(25分作業、5分休憩)を4回行い、少し長めの休憩(通常15〜25分程度)をとってまた4ポモドーロ行って休憩をするというものです。
このように、集中力がすり減らない程度に1回あたりの時間を設定することで長時間の集中を可能にしているのです。
なので、集中力がない人にもそうですが集中力があるけど長時間集中することで燃え尽きてしまっている人にもポモドーロテクニックはおすすめです。
また、集中力というのは後天的に高めていけるものなので短期間で集中力を一気に高めることを習慣にすることで日に日に集中力が磨かれて生産性が高くなっていくのでぜひ習慣化していきましょう。
ポモドーロテクニックの効果
タスク毎にかかっている時間が分かる
1週間や1日単位での目標の設定をする方は多いと思いますが、1時間あたり、ましてや25分あたりで目標を設定して行動をしている人はそれほど多くないのではないでしょうか。
工数を細かく見積もらずに仕事に取りかかると「気づいたら就業時間が近づいている。だけど、今日の成果はほとんどない。どうしよう」となる方も多いのではないでしょうか。
そして、なんて自分はダメなんだと思うことは自己肯定感を低くしてしまうことにもつながります。
そんな日々を繰り返さないために、会議のはじめにタイムテーブルを作るのと同様、今日やる業務内容についてポモドーロテーブルを作りましょう。
例えば、仕事に取り掛かる前に「このタスクはこれまでの経験から3ポモドーロはかかる」といった見積もりを立てて、実際にやってみたところ4もしくは5ポモドーロかかったとします。
ただ、漠然とやるのとは違いはじめに自分でいけるだろうと思った工数との差が出た場合は、なぜ予想より延びてしまったのかといった対策を立てることができます。
するとそこから対策を打つことができるので、「今日の昼の時間帯に予定していたタスクが長引いてしまったのは準備不足と関係者の方々へのコミュニケーションが足りていなかったからだ。似たような場面が10日後にあるからそれまでに必要な情報集めや整理と根回しをしっかりしておこう」といった形で具体的に改善を行うことができます。
すると、日に日にタスク毎の時間の見積もりが正確になり、時間をコントロールできるようになるでしょう。
また、このような働き方を続けているとプロ意識も芽生えるため集中力とともに生産性を着実に上げることにもつながります。
はじめる際の心理的ハードルが下がる
短期間ではとても終わりそうにない仕事に取りかかる時って「何から手をつけたらいいか分からず、なかなかはじめられない」といった経験はありませんか?
このようにはじめる際の心理的ハードルを下げる方法として有効なのがポモドーロテクニックです。
なぜなら、25分間集中すればいいというものなので、はじめる時は「そんなに長くないし、とりあえず始めてみるか」とはじめると徐々に仕事モードに切り替わっていって、気づいたら終了のアラームを聞いていたなんてことになります。
つまり、「いつ来るか分からない不安定なやる気を待つ」のではなく、「行動をすることでやる気を引き出す」というスタンスで大きなタスクを片付けていきましょう。
ポモドーロテクニック実践編
【ポモドーロテクニックの6つのステップ】
1.全タスクを洗い出す
2.達成したいタスクを選ぶ
3.達成するのに何ポモドーロかかるかの予想を立てる
4.25分間を測り、時間がくるまでタスクに集中する
5.5分間の休憩をとる
6.ステップ4と5を4回繰り返したら、15~25分程度の休憩をとる
上記のステップ4と5を1ポモドーロとします。
私もこの手順に沿って普段やっていますが、ステップ1の全タスクの洗い出しからステップ3の何ポモドーロかかるかの予想を立てるところまでは決断をする必要があるため慣れてくるまでは決断疲れをしてしまう方もいるかと思います。
ただ、ステップ4以降はとにかくシンプルで長時間作業していても頭が冴えている感覚があります。また、5分の休憩はおろそかにしないで、ウォーキングやコーヒーブレイクなど自分が手頃に気分転換できることにあてましょう。ストレッチや階段の昇り降りなどもおすすめです。
私自身ポモドーロテクニックを取り入れる前は、長時間集中できる時もありましたがその後は大きく疲労してしまって、1日トータルでみるとあまり成果が出ていないという日が続いていました。
しかし、短時間で集中をしてメリハリを効かせることで高い集中力を持続させるこの方法に20代で出会えたことで生産性が上がったのはもちろんですが、自分に自信が持て自分を少しずつ認めることができるようになりました。
ポモドーロテクニックの注意点とコツ
ポモドーロを中断したらはじめからやり直す
25分の1ポモドーロは最小の単位です。もし、ポモドーロ中に他のことを始めてしまったり、急用が入った場合は1度中断をして、用事を済ませてから再度新しいポモドーロに取り掛かりましょう。もちろん中断した分のポモドーロはカウントしません。
なので、中断が入る時はどんな時なのかを一度洗い出してみてできそうなところから対策を打っていきましょう。
一つのことだけに集中する
1ポモドーロの25分間は「決めたタスクしかやらない」を徹底しましょう。
ただ、10分くらいやっていると他のことが気になりはじめてついついマルチタスクに走ってしまうかもしれません。
しかし、ポモドーロテクニックは1つのタスクに集中して取り組んでいるときにこそ効果を発揮するので、頭になにか別のことが湧いてきたらどこかにささっとメモをして、現在のポモドーロが終わるまではとにかく1つのタスクに集中しましょう。
また、作業中は携帯を見える位置に置かないなどのやらないことリストを作って意識的に邪魔になるものを取り除くことも効果的です。
このようにポモドーロテクニックは、集中力に磨きがかかるのはもちろんですが、自制心も身につくので「誘惑に弱いのを治したいな」と思われている方はこの機会に集中力と一緒に自制心も鍛えてみてはいかがでしょうか。
タスクはできるだけ細かく分ける
タスクが大きすぎるとどこからはじめたらいいのかをタスク中に考えてしまうのと、今どのくらい進んでいるのか分からないといったことで不安になり集中力はどうしても落ちてしまいます。
なので、パッと見て25分でできること、2ポモドーロあればできることの前半といった具合に自分が今行っているタスクについてしっかりと把握できるように細かく分けましょう。
また少し話は逸れますが、日本人の多くは自分が思っていることを他者に伝えることを苦手としています。例えば、海外の賃金の安い国の方々にアウトソーシングをする状況になったとき、要件を上手く定義できていないばかりにイメージしていたものと違うものになってしまうといったことが起こるのが一つの例です。
なので、現在マネジメントをする立場にある方もこれからマネジメントを経験していく方々もまずは自分の現在抱えている仕事を細かく分解して、自分以外の人にいつでも振れるくらいを目指して取り組んでみましょう。
まとめ
今回の記事では、集中力と生産性が飛躍的に高まる最強時間術として「ポモドーロテクニック」をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
このポモドーロテクニックですが、特にクリエイティブな仕事に取り組む際に向いていると思います。また、ポモドーロを作業25分、休憩5分としていますがキリが悪い時やノリに乗っている時はキリがいいところまでやりましょう。
なぜなら、ポモドーロテクニックの目的は、25分作業をして5分休憩することではなく集中力を高めてフロー状態に自分を持っていくことだからです。
ただ、1回の作業時間が1時間を超えるとその後のポモドーロに影響があるので適度に休憩をとるようにし、習慣化をしていくことで集中力と生産性を長期的な視点で高めてみてはいかがでしょうか。