尊敬しているのにこの人みたいになりたいと思えないのはなぜか?


 
私には、一年のうちに何度か経験することがあります。

そして、その恒例行事ともいえるイベントは毎回私の心にモヤモヤを残していってくれます。

気持ちが悪いのでモヤモヤした気持ちになる度にその理由を考えましたが、一人では納得のいく答えには行き着けませんでした。

ただ、つい先日友人と共通の知人のUさんについて話をしているときに、長年の問題を解決する機会は突然訪れました。

私「Uさんって本当になんでもできるよな。」

友人「わかるわかる。それなのに全然嫌味がなくて謙虚だし。」

私「そうなのよ。そこがまた良さなんだよな。」

友人「ほんと尊敬しかできないわ」

と何げない会話をしている時に思い切って

「すごいと思うし、尊敬しているのになぜか自分もUさんみたいになりたいと思えるかと考えるとそうでもないんだよなあ。実は、これに似たことが何回かあったからモヤモヤしてて、、、」

と切り出しました。

すると、友人は

「あーー俺もその経験何回かあるわ。自分もそうなりたいかって聞かれたらそうでもないかなっていうやつ。」

と同じことでモヤモヤしていることが判明しました。

そこで、この日は時間もあったのでじっくり話をすることに。

そして、1時間半くらい話をしているうちにモヤモヤの理由を突き止めることができました。

話あった内容をすべて書くと膨大な量になるので、この記事では重要な部分だけを抜き出して書いていきます。

まず、人はそれぞれ考え方や経験してきたものもそうですが、関わる人や目標とするものも違います。

なので、その人みたいになりたいと思って目指そうとすると自分が理想としているところとのギャップが生まれてきます。つまり、その人のすべてを自分に当てはめようとすることは、A型の人にO型の人の血液を輸血するようなもので拒絶反応が起きるのは当たり前です。

ただ、その人のどの部分がすごいなと感じて尊敬できているのかまでを考えると話は大きく違ってきます。

具体的には、自分の身の回りの人で尊敬する人を5人あげて、どの部分に自分がすごいと感じるのかを一旦書き出してみます。

すると、5人それぞれに尊敬するポイントが見つかるはずです。また、それらの尊敬ポイントは「自分が今後身につけていきたいと思っていること」、「今の自分が苦手としていること」、「自分にはとてもじゃないけどできないこと」など様々かと思います。

そして、その上で「自分はその人になりたいと思うか?」という質問を投げかけてみて下さい。

ここで、「なりたい」と思える人もいるかもしれません。ただ、多くの人は「なりたいとまではいかない」となるのではないでしょうか。

そこで次にするのが尊敬ポイントの選別です。先ほど挙げた5人の尊敬ポイントについて、「自分にもこんな能力があればと本気で思えるもの」と「すごいとは思うけど別に自分はそこを目指していないというもの」を分けましょう。また、この選別の時に振り分けた理由についても考えて書いてみてください。

私の場合は、自分がその能力があった時にするであろう選択とその人の選択との間にギャップがある時にもったいないと感じたり、自分にはできないことだからすごいとは思うけど、そのような生き方はできないと感じた時にこの人みたいになりたい欲求に歯止めがかかりました。

一方で、以前から本気で克服したいと思っていた課題であったり、単純に羨ましいなと思ったことについては自分もその状態になれたらいいなと腹落ちしたものがいくつかあり、その時はこの人みたいになりたい欲求が湧いている自分がいました。

このように尊敬する人の要素を分解してみると、人それぞれ考え方や育ってきた環境も違うので、「いいなと思う部分」もあれば「自分ならこうするなと思う部分」もあるということに改めて気付かされました。それなのに、すべてをごちゃ混ぜにしてこの人みたいになりたいと思うからギャップが生じてモヤモヤしていたのです。

なので、尊敬している人がいてその人みたいになれたらいいなと思った時は、ぜひ尊敬している人たちから取ってきた尊敬ポイントの中で腹落ちしたものの中からあなたなりのロールモデルを作ってみてください。

ここまですると、あなたが本当になりたいと思える姿がかなりくっきりと見えてくるはずです。

そして、なりたい自分像が明確になってくると自分の人生を生きているという実感が湧き上がり、日々の生活に充実感を得られるようになります。もし、今あなたが現状を変えたいと思っているのならやらない理由がこれ以上増える前の今が一番のチャンスです。

理想の自分になったことを考えるだけでワクワクしたり本気で達成したいと思える目標を見つけることを始めてみてはいかがでしょうか。