「ライフワークはよく聞くけれど、ライスワークは初めて聞いた」
「ライスワークという言葉を最近耳にすることが増えてきたが、何なのかはよく分かっていない」
という方は多いのではないでしょうか。
実は、仕事・働き方というのは、ライスワーク、ライクワーク、ライフワークの3つに大きく分けられます。
この記事ではこの3つの定義と、それぞれどのような働き方なのかについてお話ししていきます。
「なんとなく今の働き方が自分には合っていないように感じる」という方は、違う働き方を知るヒントになるかもしれません。
読まれている方の中で、今とは違う働き方に気づくきっかけの一つとなりましたら幸いです。
目次
ライスワーク、ライクワーク、ライフワークとは
まずは簡単に、 ライスワーク、ライクワーク、ライフワークの定義をご紹介します。
ライスワークは、生活に必要なお金を稼ぐために仕事をすること
ライクワークは、好きなことや興味のあることを仕事にすること
そしてライフワークは、自分が心から取り組みたいことや夢の実現、人生を通してやり遂げたいことにつながる活動や仕事をすること
と分けられ、その人が仕事を何と捉えているかによって意味合いは変わってきます。
ただ、定義だけではイメージがつきにくいかと思いますので、次の章でそれぞれの働き方についてもう少し詳しく紹介していきます。
ライスワーク
ライスワークは、文字通りライス=ごはんを食べていくための仕事で、生活に必要なお金を稼ぐために行う仕事のことをいいます。
「ライスワークはライクワークやライフワークと比べて低次のもので、ステージが違う」と捉えられがちなのですが、ライスワークが他の働き方より劣っているということはありません。
高次、低次というのではなく、ただ単に個々人の働く目的の違いです。
たとえば、趣味に重きを置いている人が「仕事で生活費+αのお金を稼いで趣味の活動を充実させられれば、これ以上の年収アップや出世、やりがいは求めない」と考えているなら、その人にはライスワークの働き方がマッチしていますよね。
また、ライスワークをしている人の中にも、「家庭を守るために生活費を稼ぐ」など自分なりの覚悟や意味を持って仕事をしている人はたくさんいます。
このように、自分の大切なもののためにライスワークという働き方を選ぶことは、十分に誇るべきことです。
一方で、ライスワークをしている人の中には、たとえば仕事が自分の得意なこと・好きなこととかけ離れた内容であったり、自分に合わない環境だったりと、「生活のためだと割り切るにはストレスが大きすぎる」という人もいると思います。
特に、自分のやりたいことや夢が他にある人にとって、生活費を稼ぐためだけに夢に繋がらない仕事をし続けることには物足りなさを感じてしまうでしょう。
このように、働くことに「生活のため」以外の目的や理由を求める人は、この後にご紹介するライクワークやライフワーク的な働き方がおすすめです。
ライクワーク
ライクワークとは、「好きなこと、やってみたいこと」を仕事にできている状態のことをいいます。
ライクワークになるものには主に2つのパターンがあり、
①元から好きな職種・業界の仕事につくことができたパターン
②初めはそれほど興味がなかった仕事だったけれど、やっているうちに好きになったパターン
の2つです。
日本では就職活動以前にキャリアについて考える機会が乏しく、本当に自分が志望する仕事は何なのかについて就職前に気づけることは少ないため、「今の仕事が楽しい」と思える方は②のパターンが多いかもしれませんね。
このライクワークの一番のメリットは、「好きなことだからこそ努力が苦にならない」という点です。
そのため、仕事のために勉強する時間、仕事のことを考える時間は必然的に多くなりますし、やっていて楽しいからこそ無理なく行動に移せることも多くなります。
その結果として提供価値はどんどん大きくなっていき、周りから認められることも増えて自信がつく。そして、もっとやろうと思えるというポジティブなループに入ることができるのが、ライクワークの強みです。
ライフワーク
ライフワークは、今ハマっていることや一時的に好きなことというレベルではなく、人生を通してやり遂げたいと思えることに出会えて、それにつながる仕事や活動ができている状態をいいます。
ライクワークとどう違うの?と思われるかもしれませんがそれはとても良い質問で、ライクワークとライフワークは自分の好きなことに関わるものだという点ではよく似ています。
ただライフワークまでいくと、疲れていてもやりたいと思える、またそれをやることによって疲れが回復するとさえ思えるものになります。
また、周りの人から「うまく行くかわからないからやめたほうがいいんじゃないか」などと止められたとしても、それでもやりたいほど好きなこと。
それがライフワークです。
そしてライフワークとは、仕事に限らず”生涯を通じて取り組みたい活動全般”を指す言葉なので、一つに限らず複数のライフワークを持っていてもOKです。
たとえば「教育格差のない社会を一生をかけて実現したい」などの志を持って仕事に取り組むのもライフワークの一例ですし、仕事に限らず、水の研究を生涯続けたい、野鳥の写真を一生撮り続けたい、などの活動もライフワークと言えます。
自分が心からやりたいことに取り組めるので、達成感だけではなく、取り組んでいるプロセス自体に充実感や生きがいを感じることができるのが、ライフワークの大きな魅力です。
ライスワークと〇〇をかけ合わせる選択も
すでにお話しした通り、ライスワークは生活のためにする仕事、そしてライクワークとライフワークは充実感や生きがいのためにする仕事や活動なので、目的が違ってきます。
しかし、「ライスワークをしている人は、思い切って今の仕事をやめないとライクワークやライフワークができないのか?」と言うと、そんなことは全くありません。
ライスワークとライクワーク、またはライスワークとライフワークをかけ合わせるという選択肢もあるのです。
たとえば「本業では事務をしているけれど本当は物書きをしたい」という方は、70%は引き続き安定した生活費を稼ぐために会社員として働き、残りの30%でフリーランスのライターとして働く、などがライスワークとライクワークもしくはライフワークをかけ合わせた働き方になります。
このように、ライスワークでお金を得るだけでなく、ライクワーク・ライフワークをかけ合わせてやりがいも得られるようになると、生活の充実度合いは大きく変わってくることと思います。
とはいえ、様々な仕事・活動を一気に詰め込みすぎるとやることに追われて充実感を得にくくなってしまうので、まずは生活を第一に考えつつ、無理のない範囲でかけ合わせを検討してみてくださいね。
ライクワーク・ライフワークを見つけていくには
最後に、「そもそもライクワーク・ライフワークにしたいようなものが見つからない…」という方向けに、簡単な見つけ方の一例をご紹介します。
おすすめなのが、趣味や興味のあることから考えてみることです。
まず、あなたの趣味や今興味のあることを思い浮かべて、それは自分だけで完結させたいものなのか、それとも周りに対して価値を提供したいのか、と考えてみてください。
たとえば、趣味でお菓子作りをしている人であれば、「自分で食べたり家族に食べてもらえたりすればそれが幸せ」なのか、それとも「もし何でもできるならお店を開いてみたい」「もっと多くの人に食べてもらって喜んでもらいたい」という種類の”好き”なのかを考えてみるというイメージです。
そして、自分だけで完結させたい、それで十分幸せだと思う場合は、無理にワークにつなげようとせず趣味として大事にするのが良いと思います。
一方で、自分は趣味や興味のあることを通して、人に価値を提供したいという思いがあるのであれば、それはライクワーク・ライフワークの種になります。
種が見つかったら、まずは周りの友人に「これを今よりもっと本格的にやってみたいんだよね」と話したり、SNSで自分のできること・提供できるものについて発信したりして、ワークにできる準備をしていきましょう。
ここで大切なのは、結果が出ないからとすぐには辞めないこと。
心からライクワーク・ライフワークにしたいと思えるものがあること自体がとても貴重なことなので、自分で「〇年は頑張ってみよう」などと目標を決めて、その期間は周りへの発信や提供価値を高める努力をし続けてみてください。
忘れないでほしいのは、ライクワークやライフワークが初めから大きなスケールでできるわけではないということです。
とにかく、種を大切に大切に育てるように、「小さくても良いから活動を始めてみる」ということを意識してみてくださいね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回はライスワークの意味と、ライクワーク・ライフワークとの違いなどについてご紹介しました。
仕事との向き合い方に悩んでいる方や、今の働き方が自分に合っているのかわからず悩んでいる方にとって、自分が仕事に求めているものを改めて考えるきっかけとなれば幸いです。