マルチタスクは生産性を大きく下げる?成果を出すための3つの方法


 
いろいろな仕事を同時に行っている人っていますよね。

また、人は周りからの目を気にするものでマルチタスクをすることで承認欲求を満たしている方も中にはいるのではないでしょうか。

このように、いろいろなことをやっていると一見賢そうに見えますが、実は一つ一つのタスクに対しては集中できておらず、生産性はシングルタスクの場合に比べて大きく落ちると言われています。

もしあなたの周りに仕事を沢山抱えていて日々忙しそうにしている人がいたら次の質問をしてみてください。

「多くの仕事を抱えていてお忙しそうですね。今日はどんな仕事をされていたのですか?」

するとマルチタスカーたちは

「今日は、朝から3つほど会議に参加してきたかな。これからあれとあれを片付けて…そうだあれもやらなきゃ。最近はありがたいことに忙しくさせてもらってるよ。」

と楽しそうに今やっていることを話してくれるでしょう。

そして、端からみると沢山の仕事を並行して行っている様子はかっこよく見えるものです。

ただ、ここで質問を終わらせるのではなくもう一歩踏み込んでみましょう。

次の問いの答え方で仕事ができる優秀な人かマルチタスクな自分に酔っている人かが分かります。

それは、

「ところで、今日は何を終わらせましたか?」

です。これほどマルチタスカーたちの顔色を変えるのに有効な言葉はありません。

この質問に対して、仕事ができる優秀な人たちはすらすらとその日行ったことについてちょっとしたエピソードも交えながら答えます。しかし、大半のマルチタスカーたちはできていない自分を正当化するための言い訳をつらつらと話し始めることでしょう。

このようにマルチタスクは、多くの場合やった気にさせてはくれますが実際にはあまり進捗は生まれておらず生産性を大きく下げることになります。

ただ中には、多くの仕事を抱えながらも先ほどの質問にもはっきりと答えられ、実際に成果を上げれている人もいます。

そこで本記事では、複数の仕事を抱えているにも関わらず成果を出せる人たちの特徴やマルチタスクによって生じる悪影響、マルチタスクから抜け出して成果を上げていく方法についてお話します。



一見マルチタスクをしているように見える優秀な人たち

先ほど多くの仕事を抱えている人に対して

「ところで、今日は何を終わらせましたか?」

と聞くと、その人が優秀で仕事ができる人かそうでないかが分かると言いました。

ですが、マルチタスクをすると集中力が落ち、生産性は下がるというのが本当だとするとこの両者の違いはおかしいとは思いませんか?

ただ、皆さんの周りにも思い当たる人はいるはずです。

そこで、実際に成果を出している人たちを注意深く見てみるとある面白いことに気づきました。なんと、彼ら彼女らはマルチタスクをしていなかったのです。

いやいや少し待てよ「いろいろな仕事を抱えているのならマルチタスクではないのか」となりますが、実は抜け道がありました。

それは、シングルタスクを複数回行うという方法です。

こうすると一つのことに集中することになるので集中力が分散されず高い生産性が保てます。事前に決めたやることリストを見て着実に一つ一つのタスクを終えていくのでしっかりとした成果物が生まれるのです。

逆にいうとマルチタスクが蔓延している現代においてシングルタスクを極められると一気に横並びの状態から抜け出すことができます。

つまり、一つのことに集中して自分にとっての優先順位づけがしっかりとされた一つ一つのタスクを着実に終わらせていくことが重要ですし周りが気づいていない今はチャンスなのです。

そして、一つのことに集中できるようになると周りからの影響を受けにくくなり人生の舵を握ることができ、自分らしく生きることができますし、マルチタスクをシングルタスクにすることで自分の時間を取り戻し周囲からの評価をあげることができます。

ここまでマルチタスクが及ぼす悪影響とシングルタスクを極めることの重要性についてお話してきましたがいかがでしたでしょうか?

ただ、マルチタスクが及ぼす悪影響についてはまだもう少しあるので見ていきましょう。



マルチタスクによって生じる悪影響

そもそも脳は同時作業をすることはできないことが最近の研究で明らかになっています。

会議に出席しながら取引先にメールを送るといったことはよくある光景ですが、脳の中は同時に二つの処理を行っているというわけではなく瞬時に切り替えています。

このスイッチの切り替えは、普段私たちが部屋の電気を着けたり消したりするのと似ています。この部屋のスイッチのオン・オフは非常に電気を消耗します。これと同じようにタスクを切り替えることで脳も消耗して、集中力は低下してしまうのです。

人の脳には恒常性維持機能というものがあり変化を嫌う習性があります。なので、このように頻繁にタスクが変わると「せっかく慣れてきたのにまた新しいことをしなくてはいけない」と脳にストレスが溜まっていきます。

そして、これらのオン・オフを長い間繰り返していると注意力や何かを思い出す力が低くなり、脳が萎縮するとも言われています。

また、マルチタスクを好む人は先延ばし癖がある人も多いように思います。このマルチタスクと先延ばし癖の相性は非常に悪く、やってみて負荷がかかるものを最後までやらずに途中で終えたとします。するとどんどん先延ばししているタスクが増えていき、常に何かに追われている感覚があるため焦りが生まれ集中力や判断力が低下してしまいます。

マルチタスクから抜け出して成果を上げていく方法

そもそも人が何か作業をしていて集中を妨害されるのは二つしかありません。

それは、自分の内側から出てくる声と外部刺激です。

しかし、後者については働いている以上日々様々な外部刺激にさらされるため周囲の方々の協力も必要となり、個人での対策は難しいことでしょう。

ただ、自分の内側から出てくる声に関しては対策を打つことができますし、対策のできる外部刺激もあります。そこで、集中力を高く保ってシングルタスクを実践するために効果的な方法として3つほど紹介いたします。

頭の中にあることを一度紙に書き出す

頭の中に心配事や考え事があるといざ集中して目の前の仕事に取り組むときに気になるものです。また、先ほども触れましたが先延ばしにしていることがあると常に頭の片隅に残っていてストレスを感じるものです。

そんなときにおすすめなのが、一度頭の中(あるものを紙に書き出してみることです。すると、自分は今何に不安や焦りを感じているのかを認識することができます。そして大抵の場合は、紙に書くことで不安な気持ちは減り頭がすっきりした状態で仕事に取り掛かることができますし、やることリストを作る際に役立ちます。

その日のプランを前日の晩に立てる

まずは、現状で把握しているやらなくてはいけないことを紙に書き出しましょう。そして、「これとこれは今日中に何としても終わらせる」という優先順位の高いものを決めます。(本当にやらなくてはいけないことなので3つまでにしましょう。)

また、この当日のやることリストは当日の朝でも良いですが、朝は何かと慌ただしいので前日の夜に作るのがおすすめです。そして、作り終わって余裕があれば当日どのような流れで進めていくかも余白に簡単で良いので書きましょう。

このリストを持って日々仕事に取り組む場合とその日暮らしな働き方を比べると1日1日の濃さが変わることももちろんですが、周りの目から見ても分かるほどに主体性が出て日に日に自分に自信を持てますよ。

視界に入れるのは必要最小限にする

やることリストを作ったら、後はそのリスト通りに目の前のタスクに集中して終わらせていくだけです。

ただ、この時に机の上が散らかっていたり次のタスクの資料が目に入ると無意識のうちに人は決断をする傾向があり集中力は落ち脳はストレスフルになります。

なので、シングルタスクで徹底的に集中をする時には緊急性が高めの通知がくる機器以外のものは視界にできるだけ入れないような工夫をしましょう。

デスクの上や周りをきれいにするだけでもすっきりした気持ちになりますし、周囲からは「あの人のデスクはいつもきれいだな。だからあれほど頭の中が整理されているのか」と高評価が得られるでしょう。

おまけ:シングルタスクと相性の良いポモドーロテクニックを活用

最後に、シングルタスクをする上で長時間集中力を保つ方法についてご紹介します。

私も1年ほど前に知ってからずっと使っているのですが、1日の中で集中できている時間が大きく増えこれまでいかに集中した気になっていたかが良く分かりました。

その方法は、「ポモドーロテクニック」といいタイマーさえあればいつでもどこでも始められるので、集中できている時間が短いことに悩まれている方がいましたらぜひお試しください。ポモドーロテクニックのやり方についてはこちらの記事で解説してます。

まとめ

今回は、情報過多の現代病とも言えるマルチタスクについてお話しましたがいかがでしたでしょうか?

私自身がかなりのマルチタスカーだったこともありシングルタスクやポモドーロテクニックを知って実践したことで大きく生産性が上がりましたし、なによりも自分に自信を持てるようになったのでこの度マルチタスクについての記事を執筆しました。

まだ、大半の人がマルチタスクをやっている今だからこそ周囲との差を大きく広げるチャンスなのでシングルタスクを日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。