起業家がインタビューの中で、「内省によって人生で成し遂げたい目標や、自分のモチベーションの源泉を明確にしてきた」と語っている様子を見た事はありませんか?
そして、「就活の時に自己分析はしたけど、働いてからは忙しくて自分と向き合ったり内省することはなかった・・・」
という方が大半かと思います。
確かに日々の生活の中で自分の内面を見つめ直し、深く考えようと思うことは中々ありませんよね。
ただ、上記のインタビューで語られているように内省をすることはビジネスでの成功や充実した人生を送る上で重要な意味を持ちます。
そこで今回の記事では、「そもそも内省とは何なのか」、「内省的な人はどんな特徴を持ち合わせているのか」についてお話します。
目次
内省とは
コトバンクで内省と調べると、
“自分自身の心のはたらきや状態をかえりみること”とあります。
ここで、内省に対して振り返りに近いニュアンスを感じるかと思います。
ただ、内省と振り返りは異なった意味を持ちます。
振り返りは、自分が過去に体験したことをかえりみることで、内省は、それらの体験を基により深く自分を見つめ直す事です。
例えば、つまらない飲み会に参加した時に「楽しくないな」と思ったとしましょう。
そんな時のあなたはなぜ「楽しくないのか」の答えを求めています。
ただ、あなたが求めている答えを出せるのはあなた自身であり他者は答えを持っていません。
そんな時に力を発揮するのが内省です。
どんな時に幸せじゃない、楽しくないと感じるのかをまずは振り返りましょう。
そして、逆に何が揃っていると幸せや楽しさを感じられるのかと自問自答することで自分に答えを与えてあげるのです。
この時に一つのエピソードだけではなく、複数のエピソードに共通する一貫性があるとより納得のいく答えになるので頑張って出すようにしてみて下さい。
内省を通じて抽象化と具体化を繰り返した先に、あなたが本当に大切にしている価値観があるはずです。
なので、長い間答えが見つからずモヤモヤされている方は時間をかけて「内省」してみて下さい。
大切にしている価値観が明確になると、他人に引っ張られることも少しのことで疲れたりイライラすることも少なくなりますよ。
内省的な人の特徴
抽象的なことを考えることが好き
内省的な人は抽象的なことを考えることが好きです。
内省を日常的にしている人に「自分は〜が好きで、〜のために頑張りたいんだよね。それって高校生の時の経験と紐づいてるんだけど・・・」と言われたことってありませんか?
また、その時にどうして自分の事をそこまでわかっているの?と驚かれたことと思います。
これは、内省的な人は日頃から考えることが好きであらゆる事象に対して深く考察しているためです。
そして、このように考えることが好きな人は、より思考難易度の高い抽象的な思考を好む傾向があります。
そんな彼らにとって自分自身は絶好の思考対象で、
「自分はなんのために生きているのか」「何に喜びを感じるのか」「そして、それは何故なのか」と考えが尽きず楽しみながら自分と向き合っているのです。
自分への期待が高い
内省的な人は自分への期待が高いことが特徴として挙げられます。
「どうしてモチベーションをそこまで高く保てるの」と感じる方っていませんか?
実はモチベーションの高さを維持する上で内省はとても重要な役割を果たします。
日々変わり映えのない生活をしているとモチベーションは下がっていくものです。
そのような中でモチベーションを高く保つためには燃料が必要です。
その燃料とは、煮えたぎるような情熱です。
人生をかけて成し遂げたいことです。
その情熱を見つける上で必要なのが内省なのです。
内省的な人は自分の目標を明確に言うことができます。そして、その目標に向かっている実感があれば苦しい中でも頑張り続ける事ができるのです。
(関連記事:情熱はどこから生まれる?情熱を持つことで変わる20代の働き方!)
現状に満足せず高い向上心を持っている
内省的な人は現状に満足せず高い向上心を持っています。
前述の「自分への期待が高い」に続きますが、彼らは常に自分の行動指針が明確です。
そして、自身が掲げた目標との差分を埋めるための努力を惜しむことはしません。本当に必死でがむしゃらです。
周囲から見れば結果も出しているし、現状でどうして満足していないのか不思議に思われるかもしれません。
しかし、彼らは普通だったら
「今日は疲れたしここまでしかできなくても良いや、明日頑張ろう」となるところを
「今日頑張れなければ明日はない。とにかく目の前のことを全力でする。ただそれだけ」と考えています。
このように内省的な人は普通の人に比べて行動量の基準が圧倒的に高く、自分が望む未来を得るために行動し続けられるのです。
他人への共感力が高い
内省的な人は他人への共感が高い傾向があります。
内省的な人と話をしていると、自分のちょっとした話に対してもしっかり聞いて共感してくれていると感じた事はありませんか。
内省的な人は、自分の経験からどんな感情になったか、そしてどんな行動に移したか、それは何故なのかを日頃から考え抜いています。
そうすると、ある経験や、事象に対して自然と仮説を立てるくせがついてくる訳です。
他人の話を聞いていても
「きっとこの人がこういう感情になったのは、元々〜という気持ちが強くて・・・」
といったように話を聞きながら自分なりにその人の中の感情を理解しようとするのです。
そのため、「その時こういったことが大変だったんじゃない?」など、あなたが聞いて欲しかったことを質問することができるのです。
謙虚で、他人を見下さない
内省的な人は謙虚で、他人を見下すことをしません。
内省的な人と会話をしていて「こんなに自分の事をわかっているのに、全然虚勢を張ったり、無理にできるぜアピールしてこないな」と感じることはありませんか?
これは内省をする事で自分の強みや弱みを十分に理解できているためで、等身大の自分でいることが当たり前になっているためです。
また、他人を思いやる余裕もあるのでどんな人に対してもフラットに接し、人を見下す事はありません。
他人に嫉妬しない
内省的な人は他人に嫉妬しないことが特徴として挙げられます。
他人に対してうらやましいと思うのは、自分が何を大切にしているかが明確でないからです。
ただ、内省的な人は自分の価値観がしっかりしているので、自分に価値観の主体があり隣の芝生が青く見えないのです。
たとえ、一瞬他人に嫉妬してしまう事があったとしても
「なぜ自分は今嫉妬してしまったのだろう」
と問いかけることで自分が求めているものを見つけ出すきっかけにしてしまいます。
嫉妬すること自体は別に悪いことではありません。
その嫉妬をいかにプラスの燃料に変えていけるかが重要です。
なので、嫉妬をしている自分に気づいたらチャンスだと思ってプラスに変えていきましょう。
他人の価値観を知りたがる
内省的な人は他人の価値観を知りたがります。
内省と聞くと己との戦いで一人で黙々とやるイメージがあると思います。
ただ、他人の価値観を参考に自分の内省を深めるというの方法もあります。
そして、内省的な人は他人の価値観を聞いていく中で自分の場合はどうだろうと考えてさらに考えを深めていくことができ、それが楽しいのです。
内省を深めて自分の価値観を明確にしていくことはかなり頭を使いますし、時間もかかります。
しかし、相手の価値観を知るために壁打ちを自分がすることで普段とは違う角度から自分のことを見ることができ、非常に有意義な時間となるのです。
まとめ
今回の記事では、そもそも内省とは何なのか、内省的な人はどんな特徴を持ち合わせているのかについてお話しました。
内省という言葉自体とても抽象的なもので言葉は知っていたけど具体的にどういう事かぼんやりしていたという方も多かったのではないでしょうか。
ただ、内省をうまく生活に取り入れられると他人に嫉妬せず自分らしい人生を歩んでいけるようになります。
また、内省的な人の特徴から、自分の日々の生活の中で意識できるエッセンスがあったら取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと今日よりも明日の自分を好きになれますよ。
(後編:内省とは?具体的なやり方と内省を身につけることで変わる未来)