働くとは?働く意味や得られるもの・仕事のモチベーションを高めるには


 
「就活で志望度の高い会社に入れたのに、思っていたよりも仕事が楽しくない」
「仕事にやりがいを全く感じられない」

こんな思いから、仕事のモチベーションを見失ってしまっているという方は多いのではないでしょうか。

こうした状況は、あなたが仕事に何を求めているのか、それはどうしたら得られるのかをはっきりさせることで打開できるかもしれません。

この記事では、”働く”とはそもそもどういうことか、そして、働くことをどうやって自分の価値観とつなげてモチベーションを上げるかについてお話ししていきます。

働くとは

そもそも”働く”とはどういうことなのでしょうか。

ここでは会社で働く場合について考えてみましょう。

前提として会社という組織は、利益を生み出すこと、株式会社であれば会社の価値=株価をあげることを目的に運営されています。

そして、その目的を実現するためには、受注した仕事を全うしたり魅力的な商品・サービスを提供したりする必要があるので、そこで社員の力が必要になります。

つまり会社は、給料を支払うことで目的達成に必要な労働力を買っているということもできます。

この前提を踏まえると、社員一人ひとりの役割や業務内容は、会社の目的から逆算してほぼ決められているということになります。

そのため、社員はこの構造を理解し、あくまで「会社や部署内の目標を達成するために」自分がどのように貢献できるのか、自分の能力や得意なことをどのように活かすことができるのかを考えて実行することが必要なのです。

これが、”働く”ということの大枠であると言えます。

働く意味・働くことで得られるもの

会社の構造を踏まえて少し厳しい言い方をすると、仕事というのは、社員に生きがいや働きがいを与えるために存在するわけではありません。

あくまでその仕事に対価を支払ってくれるクライアントや、投資してくれる人々のために存在するものなのです。

そして会社からすれば極論、「社員は会社が支払う給料に値する(理想を言えばそれ以上の)成果を出してくれればそれで良い」存在であり、社員一人ひとりの個性を尊重したり、一人ひとりの仕事の目的を叶える義理はない、ということになります。

とはいえ社員からすると、会社に与えられた仕事を黙々とこなすばかりで、仕事の意味ややりがいを感じられていない状態というのは苦しいものですし、モチベーションも保てなくなってしまいますよね。

だから社員としても、前提として会社に求められる業務には対応しつつ、お金以上のものをその仕事・環境から得られるように考え方や働き方を工夫してみると、気持ちよく働けるのではないかと思います。

ここからは、会社で働いた時にお金以外に得られる5つのものについてお話しします。

社会とのつながり

働くことで得られるものの1つ目は、”社会とのつながり”です。

仕事をすることで職場というコミュニティに参加することになりますし、また働くことそのものによって、社会に参加しているという感覚も得ることができるでしょう。

働くことで、”社会とつながっている”と改めて意識する方は少ないかもしれませんが、たとえば一人暮らしをしている方や、家族以外の人と話す機会が少ない方にとっては特に、自分が一人ではないこと、誰かと共に生きていることを実感できるのは大切なことなのではないかと思います。

貢献実感

働くことで得られるものの2つ目は、”貢献実感”です。

仕事をしている誰もが社内外問わず誰かのニーズを満たしていることになるので、働くことは基本的に、自分以外の個人・組織、もしくは社会に貢献することと言えます。

実際に、自分がしたことで誰かが喜んでくれるのを目の当たりにしたり、「ありがとう」「君がいてくれて助かった!」と声をかけられたら、また頑張ろうと前向きな気持ちになれますよね。

貢献実感を仕事のやりがいと考える人は思いのほか多いのではないでしょうか。

報酬・ステータス

働くことで得られるものの3つ目は、”報酬・ステータス”です。これは市場価値とも言い換えられるでしょう。

仕事をすることで豊かな生活を送れるだけのお金を得ることや、社会的な信用や地位を得ることがこれにあたります。

また、高い報酬・ステータスを得ると、周りの人から一目置かれたり、希望の会社に転職しやすかったり、など付随するメリットも多くあるでしょう。

成長

働くことで得られるものの4つ目は、”成長”です。

成長と一言で言ってしまうとざっくりしていますが、ここでは「前にできなかったことができるようになること」という意味で使っています。

仕事をすると、たとえば営業や企画業務、クライアントとの商談など学生時代にはしたことのないことを山ほど経験できますし、役割としてもチームをまとめるポジションを任されたりと、様々な場面で成長している実感を得る機会があります。

自己実現

働くことで得られるものの5つ目は、”自己実現による喜びや達成感”です。

そもそも自己実現というのは、自分が達成したいと思う目標を見つけ、その目標達成のために自身の能力や強みを発揮できている状態を指します。

自分の強みを把握すること自体もなかなか難しいことですし、自分の達成したいと思える目標を設定することも難易度は高いですが、それを仕事で実現できれば大きな充実感・達成感を得ることができます。

自分にとって「何をすることが自己実現につながるのか」、「意味や価値を感じることは何なのか」ということをぜひ時間をとって考えてみてはいかがでしょうか。

” 働く”の3つのタイプ

これまでお話ししてきたように、働くことで得たいものは人によってまちまちですし、働くことの人生における位置づけも人によって異なります。

日本ではあまり広まっていませんが、働くことには3つのタイプがあると考えられています。

その3タイプというのが「ジョブ」「キャリア」「コーリング」で、イェール大学で組織行動学を研究するエイミー・レズネフスキー教授が発表しました。

仕事をお金を得るための手段と考えており、最も効率よくお金を稼げることを重要視していればそれは「ジョブ」と呼ばれます。

一方で、自分が仕事をすることに価値を感じており、仕事からお金だけでなく様々な報酬やステータス、社会的地位を得ることを目的としていれば、その仕事は「キャリア」となります。

そして、仕事と人生を切り離さず、その仕事をすることが生きることと大きく重なっている、もしくはその仕事をするために生まれてきたのだと思える場合には、その仕事は「コーリング」といえます。
コーリング(Calling)は日本語に訳すと「天職」という意味になります。

ただ、この3分類を紹介した上で注意していただきたいのは、「ジョブ」「キャリア」「コーリング」のどれかが偉いとか優れているということではない、ということです。

また、タイプが自分の中で混ざっている場合も多くあります。

自分の人生において仕事をどう位置づけたいかがわかってくると、仕事への向き合い方が変わったり、もっと自分にあった職場があることに気づくきっかけになるので、「自分はどのタイプなんだろう」と考えてみてはいかがでしょうか。

仕事のモチベーションを高める3つの方法

さて、ここまでは働くことで得られるものや働くことの3つのタイプについて紹介しましたが、最後に、より仕事のモチベーションアップに直結する方法をご紹介します。

仕事に目標を設定する

働くことのモチベーションを高める1つ目の方法は、”仕事に目標を設定する”です。

そのためには、まずあなたが人生において仕事をどのようなものだと捉えているか、そして仕事に何を求めているかを考えてみましょう。

仕事に求めることを考える際には、さきほどお話しした「働く意味・働くことで得られる5つのもの」をぜひ参考にしてみてください。

仕事に求めることが「成長」なのであれば、いつまでにどんなキャリアを積みたいのか、そのためには今どんなスキルをどのレベルまで身に着ければいいのか、を逆算して考えるのがオススメです。

また、「人生計画から考えると、今はとにかく報酬を増やすフェーズだ」という場合であれば、「それなら会社の期待と自分の努力のベクトルがずれないように上司とアウトプットイメージのすり合わせを慎重にやろう」、など具体的な今の働き方の方針も定まってくるものです。

このように、長期的な目標から逆算して行動指標に落とし込み、「自分のありたい姿・理想の人生に近づくために今の仕事は必要なものだ」と納得できれば、仕事の意味を感じられてモチベーションを高められるはずです。

スキルアップできる職場を選ぶ

働くことのモチベーションを高める方法の2つ目は、”スキルアップできる職場を選ぶ”です。

この方法は、成長や自己実現に重きを置く人におすすめです。

まずは今の職場で得られるスキルは何かを考えてみましょう。

今の仕事の中で、自身が実現したい目標の達成に必要なスキルを得られそうであればその業務に注力すれば良いですし、今の仕事や部署では得られないけれど他の部署ではスキルアップに繋がる仕事ができそうだ、という場合は異動希望を出したり上司に相談してみたりと、自分の考えを周りにアピールしてみるのが良いと思います。

そして最終的に、もうこの会社でスキルアップはできないなと感じたら、転職や起業など他の方法を視野に入れるのも一つの道です。

ただ中には、「まだ人生の目標が見えてこないけれど、今の仕事では何もスキルが身に着いていない気がする…」と漠然と不安を感じている方もいらっしゃると思います。

そんな方は、まずはポータブルスキルと呼ばれるスキルを身に着けるように意識してみてはいかがでしょうか。

ポータブルスキルとは、論理的思考力やプレゼンスキル、コミュニケーション能力など、ビジネスの基礎力とも呼ばれるスキルのことです。

これらのスキルは、これからどんな仕事をするにしても、また仕事以外の場面でもきっと役に立つと思います。

能動的に仕事に向き合う

働くことのモチベーションを高める3つ目の方法は、”能動的に仕事に向き合う”です。

とはいっても、会社から下りてくる仕事をやっているだけではなかなか能動的に働くモチベーションは湧かないですよね。

そんな時は、自分の意思や思いを今の仕事に乗せられるように自分で工夫してみましょう。

たとえば、営業電話を1日100件かけるように会社から言われてやみくもに電話したものの、電話をかけた先から迷惑だと怒られたり、まったく受注につながらなかったりして自信を無くしてしまった、という人がいるとします。

これは、「電話を100件かける」という営業手段がいつのまにか目的化してしまったことにより、「求めていない相手にもやみくもにアプローチしたこと」による結果です。

このような場合は、「1日100件電話する」などの手段に囚われるのではなく、自分の売る商品を喜んでくれるのはどんな人だろうか?自分はこの商品で誰を幸せにしたいのか?を考えてみてください。

そしてその人たちに営業先を絞れば、相手に貢献したい・この商品で貢献できるという思いを持てている状態になるので能動的に動けるようになり、結果に繋がる確率も、また自分自身が感じるやりがいも各段に大きくなるはずです。

この繰り返しでお客さんからも社内の人たちからも信頼を得られるようになれば、どんどんモチベーション高く仕事に取り組めるようになる、というポジティブなループに入ることができるのではないでしょうか。

おわりに

今回は、働くということと、仕事のモチベーションアップの方法についてお話ししました。

社会人になると思いのほか毎日が忙しく、いったい自分は何がしたくてこの会社に入ったのか、という大切なことを忘れてしまって、ただただ毎日仕事が嫌だと気持ちが沈んでしまうこともあると思います。

そんな時には原点に立ち返って、あなたが仕事を通じて何を得たくて、今後どんな人生にしていきたいのか考えてみてはいかがでしょうか。

この記事が、あなたが今以上に前向きに自分の人生を生きるための一助となりましたら幸いです。