そろそろ溜まっている仕事を片付けるかと思っても「今はやる気が起こらない」って時はありますよね。
そして、少し考えて「まだ先延ばしにしても間に合うから他のことをしよう」と楽な方に流れていきがちかと思います。
そもそも人間の脳は、変化を嫌う性質があります。なので、行動をせずに今の快適な環境を維持するために必死にやらなくてもいい理由を作ってきます。
ただ、ここで注意したいのがやる気が生まれないから行動に移せないというのは間違えているということで、近年脳科学の分野で立証されてきています。
そこで今回は、「やる気に関する誤解」と「やる気が出ない原因」、「やる気を出す方法」について話をしていきます。
目次
そもそもやる気とは?
やる気とは、何かをしようとする時に発生する気持ちで
weblio辞典では ”物事を行おうとする気持ち、欲求などを意味する表現。”
と書かれています。
そして、過去にとらわれていたり、未来の心配をしていたりといった時はやる気は起きにくくなるもので、
今目の前にあることに対して全力で取り組もうという気持ちが大切になります。
またこのやる気について、冒頭でも触れたように誤解されている部分があります。
そこで、まずはやる気に関する誤解について見ていきましょう。
やる気に関する誤解
これまで脳科学の分野でやる気について幾つかの研究がされてきました。そして、近年固まってきた考えがあります。
それは、やる気が出ないからやらないのではなく、やらないからやる気が出ないということです。
つまりやり始めるとやる気が出るということです。
この考え方は、やる気が出ないから行動できないという考え方と全く逆をいっています。
ただ、身近なところで我々も体感しています。
あなたは二度寝せずにスパッと起きることができますか?
寒い季節は特に布団からなかなか出られないという方も多いかと思います。
ただ、眠い中一度起きてみたら意外にも起きられたという経験があるのではないでしょうか。
これは、眠いから起きれないのではなく、起きないから体が眠いと判断しているのです。
他にも面白いから笑うというのも一緒の原理で、笑うことで面白いと感じるという研究結果がいくつもあがっています。
また、割り箸を噛んで笑顔と同じ表情筋を使うことでも同様に面白いと感じることも研究により分かっています。
このように感情が先にあって行動が後からくるのではなく、行動が先にあって感情が後からついてくるのです。
ただ、なぜこのような関係になるのかについては、脳の側坐核という部分を知ることで理解が深まります。
脳の側坐核はやる気に影響を大きく及ぼす部分で、この側坐核が活発に動くことでやる気が起こります。
ただ、この側坐核は何か行動を始めるまで活動をしないという特殊な性質を持っています。
なので、「やる気が起きない」、「起きれない」、「面白くない」といった時は、先に行動を起こすことで脳の側坐核を活発に動かして
「やる気が出た」、「起きれた」、「面白く感じた」と変えていくようにしていきましょう。
やる気が出ない原因は?
明確な目標設定がなく主体性も欠けている
やる気が出ない原因として、目標がうまく設定されておらず当事者意識も欠けていることが挙げられます。
まず、「やる気を出せ」と言われても何を目印にして向かえばいいのか分からなければ動けません。
また、自分の中で主体的な目標設定ができていないと、何のためにやっているのかが分からないのでやる気を出すことは難しいものです。
例えば、真っ暗な洞窟の中で「出口は教えないけど走って脱出しろ!」と言われたらどこに向かえばいいのか分からず動き出せないものですよね。
また、短期的には精神論は効果を発揮しますが、明確な行き先が分からない中で長期間走るのは疲弊します。
なので、明確な目標設定がなくやっていることに対して主体性もかけている状態が長く続くようならば一度働き方を問い直してみてはいかがでしょうか。
目標の設定が適切でない
やる気が出ない時にありがちなのが目標の設定が簡単すぎたり難しすぎたりする時です。
パフォーマンスが一番高いのは簡単すぎず背伸びをすれば届きそうな目標に対して頑張っている時と言われています。
これは、難しすぎるとどうやったら成果を出せるのか分からないので手が進まず、簡単すぎるとやりごたえがなく頑張った結果得られるものが小さいのでやる気は起きにくくなるためです。
なので、様々な経験をする中であなたにとって最適な目標の設定の仕方を身につけていきましょう。そして、目標を立てた後は簡単すぎたり、難しすぎないかチェックしてみてください。
考え事や悩み事、決断をすることが多すぎる
考え事や悩み事、決断をすることが多いとやる気は出しにくくなります。
1日にできる意思決定の総量は人それぞれで決まっています。そして、考え事や悩み事が頭の中にあると常にどうしようかと考えますし、決断をしていくことで意思の力をどんどん使っていくことになります。
このように、意思決定力がすでに弱りきっていてる状態では他のことに気をとられており、やる気を出す決断をする際には大きく意思の力が必要なためやる気を起こすことが難しくなります。
なので、日常の行動を習慣化するなどの工夫を行うことで決断回数を下げ、考え事や悩み事が大きい場合はなるべく解決してから業務に取りかかるようにしましょう。
自分の仕事に誇りを持てていない
自分の仕事にやりがいや誇りを持てない時ってありませんか?
今やっていることの積み重ねで自分が思い描いている所にいける気がしないと先行きは不安ですし歯車感を感じるものです。
また、人間とは社会的な関わりを持ちたいものです。ただ、自分が誇りを持って社会的意義があることに取り組めている方はごく少数です。
しかし、漠然と誇りを持てる仕事をしたいと思っている状態でいきなり天職を探そうとすると難しいのでもっと身近なところで考えることをおすすめします。
自分が得意なことで周囲の人が得をすることは必ずあります。地道に探していきましょう。
自己肯定感が低い
やる気がでない原因として自己肯定感の低さも一因として挙げられます。
自己肯定感が低いと考えるよりも先に反射的に無理だと判断してしまう頻度が高くなります。
成功体験を積んでいくと自信が生まれて次もできそうとなりますが、何かを始めようとした時に「どうせ無理」と言ってしまうとやる気の芽を摘んでしまうことになります。
なので、まずは自己肯定感が低くなっていないかを確認し、高めていくことで「どうせ無理」を「こうやったらできる」に変えていってみてはいかがでしょうか。
(関連記事:自己肯定感が低い人に現れる7つの典型的な特徴と後天的な3つの原因)
(関連記事:自己肯定感を高める8つの方法と自己肯定感に関する2つの誤解)
望んでいる結果や成果が出ない
やる気がでない原因として努力をしても望んでいる結果や成果がでないことが挙げられます。
自分では結構頑張ってやっているつもりだけど全然結果がでてなくてそろそろ心が折れそうということってありませんか?
このようにいくらやっても成果があらわれないんじゃないかという気持ちは頑張ろうという気持ちを抑えつけるものです。
ただこの場合には、失敗に価値を見出せるようになると強いです。あの発明王のトーマスエジソンも「私はいまだかつて失敗したことがない。今までに電球が光らないという発見を2万回しただけだ。」と言っています。
自分が分からないことが分かったのだから今回はいい経験になった。次は必ず成功させると思えると見方はかなり変わりますよ。また、うまくいかない時も小さな成功は必ずできているのでその部分にも目を向けてみましょう。
そして、もう一つ大切なのが適切な目標設定をすることです。なぜなら望んでいるものが分かっていなければあなたにとっての望ましい結果を得ることは難しいからです。
なので、まずは何をあなたが求めているのかを明確にした上で、結果や成果がでない原因を探求していきましょう。
やる気を出す方法
ここまでで、「やる気とは何か」、「やる気に関する誤解」、「やる気がでない原因」について書いてきました。
やる気が出ないからやらないのではなく、やらないからやる気が出ないというのに驚かれた方もいるのではないでしょうか。
ただ、やり始めることでやる気が出ることを知っていると今後やる気を出す必要に迫られた時に周りよりも一歩リードできるはずです。
さらに詳しいやる気を出す方法については、分量が多くなりすぎるため、行動編は後編としました。(やる気を出す方法を見てもやる気が出なかった人必見!本質的な4つの方法)
行動編も自分に当てはめながらご覧ください。
(関連記事:仕事にやる気が出ない原因は?仕事にやる気が出ない人の特徴と6つの対処法)